12月17日、岸田今日子さんがお亡くなりになりました。

私は、ムーミンカフェのクリスマスパーティーかお台場show劇場、どっちにしよう? なんてのんきな選択をしていた日でした。数々の追悼記事に、岸田さんの代表作としてムーミンがありました。映像でも舞台でも活躍された女優さんですから、ほかにも“代表作”が挙がっています。が、作品はまちまち。漏れなく記載されるのはムーミンなんですね。いつかは観たいと思いつつ見逃していた人でも、ムーミンの声なら一度は聞いている。すごいことだと思います。

岸田今日子さんのお姿を舞台で観たのは一度きり。昨年のムーミン生誕60周年イベント(紀伊国屋ホール)です。テレビで親しんでいたとおり、あの声で、ムーミンアニメのスライド上映に合わせて朗読をしてくれました。イベント終了後、次の会場へ向かう岸田さんが、ふつうにロビーを通ってエレベーターに乗り込んでいきました。ちいちゃくて、ふわりといい匂いがして、妖精のようでした。妖精さんが扉に吸い込まれていく光景を、訃報のニュースを聞きながら思い出していました。

そして、そういえば、と思いました。自分の持っているDVDとCD全部の中で、一番たくさん声を聞ける人は、岸田さんなんじゃないかしら。子守唄がわりに再生したまま寝るDVD。パペット・ムーミンのDVDボックスです。この吹き替えをナレーションからキャラクターまですべて、岸田今日子さんが一人であてています。『まんが日本昔ばなし』の声を、市原悦子さんと常田富士男さんが二人だけで担当しているように。平成ムーミンは代替わりしていたけれど、パペットの吹き替えや原作の朗読となると、やはり岸田さんのイメージが強かった。ほかの人の声でも聴いてみたいなと思ったりはするんです、では誰の声で? ……なかなか思いつきません。わが子に自分の仕事を見せるために始めたというエピソードに、ムーミンの朗読がこんなにも優しいわけを感じます。


岸田今日子さん、ご冥福をお祈りします。
[PR]
# by toyorubichun | 2006-12-22 00:49 | 絵本
鈴村真紗BIRTHDAYイベント
ART COCKTAIL 2006
2006年10月16日 あさがやドラム

b0002385_9463797.jpg

《▲画像提供: prayer さん》

鈴村真紗ちゃんは、役者、写真モデル、作詞作曲をこなす22歳の可愛い女の子です。お誕生日おめでとう!! とか言いつつ、私が彼女を初めて知ったのはイベント当日でした。会場は30人入れば満員のライブハウス。たまたま最前列のイスがひとつ空いていたので座りました。ライブの主役を知らないくせに、ド真ん中の特等席を陣取ることに……。かぶりつきもかぶりつき、手を伸ばせば出演者に届いちゃう近さです。集まった人たちみんなが真紗ちゃんを囲んでニコニコしてるの見ていたら、私も真紗ちゃんが好きになりました。お祝いの席は無条件で楽しいものです。

――誕生日だから、好きなものを集めたい、好きな人にかこまれていたい。
  好きなものを、好きな人たちを、まだそれを知らない人に紹介したい。
  無限に創り出すことが出来るカクテルのように、お口に合うものが
  見つかれば幸いです。
                             鈴村真紗
                (当日パンフレットのごあいさつより)

●歌
●朗読
●バンド
●劇
●歌
●バースデーケーキ&シャンパンタワー

ごあいさつにあるとおり、いろんな人を見られるライブでした。以下、出演者と詳細です。ちなみに私のお目当ては、長谷川立(はせがわ りつ)さんによるボディペインティング。絵描きさんです。

▼りつさん本人の手
b0002385_1044010.jpg


▼出演者に描いた絵
b0002385_10564738.jpg
b0002385_1057844.jpg
b0002385_1057186.jpg
b0002385_10572913.jpg



▼真紗ちゃんの背中
「写真撮らせてください」とお願いしたら、さっと光の当たるほうへ体を向けてくれました。さすが、被写体慣れしてる。
b0002385_10574980.jpg

【歌】
◇鈴村真紗
◇田部常臣(ギター)
◇アミーゴ岡田(ドラム)
>オープニングの歌が始まって間もなく、真っ白い仮面と生成の巻きスカートという怪しい格好の男が、歌うでも踊るでもなくユラユラと現れました。モシャモシャ頭のノッポさん。う、なんか見覚えが。まさか……。ステージ奥の壁一面に張った白い布。そこへおもむろに描かれた線は、りつさんのそれでした。以降イベント終了まで、演奏や芝居が行われている背景の一部となって、りつさんはもくもくと絵を描いていました。

《▼画像提供:DJま~ぼ~。さん。》
あやしい絵描き。下はロングスカート。
b0002385_21285190.jpg

プシュ、プシュ、と霧吹きで布を湿らせながら、さささーっと筆を運んでいく。大画面の絵は、鳥の翼にも女性の子宮にも見える、シンメトリーな形から始まりました。濃淡をつけながらオレンジ一色で線がニョロニョロ増えていく。模様? 抽象? それともサイケな山水画?? あれれアルファベットもちらほらあるぞ……。ちょっと目を逸らしているうちに、空白のスペースが隙間なくみっしり埋まっていく。ゴールドと濃いブルーが加わって、みるみる立体的になっていくんだけれども、なかなか何を描いているのか分かりません。

ライブが終盤に差し掛かった頃、下手側に女性の横顔が出現。無秩序に増幅していた色と形が一瞬にして、豊かにたなびく女性の髪へと変貌しました。地図の縮尺がシュルルルルッと狭まるように、やっと初めて「一枚の絵」に着地したわけです。絵の正体が分かったお客さんから順に、時間差で「あっ!」って言ってたのがおもしろい。できあがった絵はもちろん、真紗ちゃんにプレゼントされたそうです。

《▼画像提供:DJま~ぼ~。さん》
b0002385_2027334.jpg


【朗読】
◇鈴村真紗
◇DJま~ぼ~。(DJ)
◇長谷川立(ボディペインティング)
>真紗ちゃんが、高めのイスに腰掛けて朗読を始めました。BGMに静かな音楽が流れます。声優さん特有の甘い声で、季節の移り変わりについての詩や、カクテルにまつわるエピソードや、よしなしごとをつらつら読みます。真紗ちゃんがページを繰る指を止め、座ったまま回れ右をすると、後ろでおとなしく絵を描いていたりつさんが、ステージ中央へやって来ました。そのとき、真紗ちゃんの服が背中のぱっくり割れた、かなりセクシーなワンピースだということが分かりました。なめらかな、きれいな背中。そこにりつさんがペンで、するすると線を引きます。ボディペインティングされながら再開された朗読は、後ろを向いたせいか、さきほどよりもくぐもりがち。背中を走るペンの動きと、声のリズムは無関係に進みます。でも、真紗ちゃんの息つぎするタイミングや、りつさんの添える左手がわずかにズレる瞬間、ふたりがぴたっと密着しながら、まったく別の行為をしているのが、異様にくっきり意識され、それがなんだかすごく……官能的! なだらかな音楽と、甘い声と、きれいな背中と、黒い曲線。真紗ちゃんの朗読が意味を成す言葉ではなく、ただ心地良い音のかたまりとして耳に流れ込みました。

【バンド】
Love Life Live
>ボーカル、アコースティックギター、ギター、ドラムまたはジャンベの4人編成バンド。ボーカルはクロエの半ズボンが似合う元気なおねえさん。ステージに上がるなり、淀みのないおしゃべりが始まりました。笑顔のまんま、ハスキーな声で歌いだすのが素敵。
《▼画像提供: prayer さん》
b0002385_21312634.jpg

b0002385_21321188.jpg
b0002385_21324876.jpg

b0002385_22345128.jpg
b0002385_2235157.jpg
b0002385_22353383.jpg

ギターのKennyさん(写真右上)は通称「おとうさん」、ほかのメンバーよりずいぶん年上なギタリストです。廃墟をバックにボンデージやゴスなどの被写体で人物を撮る写真家さん、という顔もお持ちだそうです。(サイトは現在閉鎖中というのが残念)

【劇】
◇鈴村真紗
◇王賀奈緒
◇鈴木しのぶ
>お三方とも、あさがやドラムで定期的に朗読を行っているそうです。この日上演されたのも、台本を持って演技する、芝居というかホン読みでした。女の子同士がお酒を飲みながら、ノロケ話や“恋愛バトン”なるアンケートに答えるという、架空の会話。

【歌】
◇鈴村真紗
◇田部常臣(ギター)
◇アミーゴ岡田(ドラム)
◇Kazuhito(キーボード)

【ボディペインティング】
終演後、出演者のCDや関連書籍の即売会がありました。りつさんはボディペインティング。私、左手の甲に描いてもらいました。真紗ちゃんの背中に模様をつけていくエロい光景をまざまざと見てしまったので、きゃ~どうしよう恥ずかしいっ、などとドキドキしていたのに、エロい雰囲気は微塵もありませんでした。
b0002385_1174216.jpg

◇描いてほしいところ(手)を出す
 ↓
◇りつさんの頭にデザインが浮かぶ
 ↓
◇ローションで肌をととのえる
 ↓
◇ペイント
 ↓
◇パウダーで定着させる

全行程およそ5分、「普段絵を描くのがものすごく遅い」というのがウソみたいな早業です。ペイント前のローションは、アルコール消毒みたいにコットンで拭きます。注射打たれる前っぽくてコワいけど、ペイント中は痛くもかゆくもありません。道具はアイメイク用の筆。こそばゆい感触すらなく、されるがまま。絵の過程は見ず、手の変身ぶりに感動しようと、終わるまであさっての方向を見てました。できあがった絵は、パウダーをはたいてもらいます。りつさんの手ですりすり撫でられるわけですが、大きくてあったかくて、マッサージされてるみたいでした。なにこの安心感、エステにこういうコースありそう。つまりやっぱりどうがんばってもエロくない。がっかり!! 絵は、メイク落としを使わなければ入浴しても3日ぐらい落ちません。

▼りつさん、次回はオールナイトのイベントでボディペインティング&ライブペインティングするそうです。 ※終了
UNITE #006
2006.11.2(Thu.)
@WAREHOUSE (麻布十番)
Open/Start 22:00
DOOR ¥3500/1d W/F ¥3000/1d

[PR]
# by toyorubichun | 2006-10-23 11:09 | 美術
b0002385_050056.jpg

ロダンとカリエール
2006.3.7(火)~2006.6.4(日)国立西洋美術館

葉桜のパステルな色合いにまったくマッチしない鬱々とした展覧会に、行ってまいりました! 元気いっぱいなときに観たらテンション下がりそうだし、落ち込んでるときはますますダメになりそう、でも同じ上野で大々的にやってるプラド美術館展よりも気になる展示でした。ロダンが大好きなんだもの。肉体美バンザイ! 筋肉礼賛!

ウジェーヌ・カリエールという画家はこの展覧会で初めて知りました。ウワサに違わず、病んでました。習作も作品もモノトーンでぼやぼや~っと浮かび上がらせる描き方。ロダンと同じモチーフでつくったものが仲良く並んでいて、なるほどポーズも雰囲気もそっくり。絵画と彫刻というジャンルの違いはあれど、ロダンをして「カリエールもまた彫刻家である」と言わしめたとおり、ボンヤリしていても肉感的でした。ただしロダンと決定的に違うのは……エロくないこと。象徴主義の代表的な画家モローやクノップフと同様、どんなに柔らかな肌の質感、肉の厚さを描いても、それは神秘的な妖艶さで、生々しいエロではない。一方、筋骨隆々のありえないほど理想的なプロポーションで男女を形づくるロダンの作品が、なぜあんなにも官能的なのか。あらためてその魅力について考えさせられました。

“ロダンといえばカミーユ・クローデル”と刷り込まれてる私の脳は、やはり男女が絡み合う彫刻があると、このモデルもカミーユかしら、痛々しいわぁと条件反射で妄想せずにはいられません。上半身をそらせた女性の乳房に、膝をついて男性が顔をうずめている『永遠の偶像』(ポストカードが販売されてます)と、『男と思惟』はほぼ同じポーズ。いとおしげに寄り添う男女はしかし、どちらからも腕を伸ばして抱きしめ合っていない。一糸まとわぬ姿だけれど、目に見えない拘束具で欲望を差し止められているかのよう。

『フギット・アモール』もおかしな態勢でした。体力測定の上体そらし運動みたいにうつぶせから起きあがった状態の女性を下に敷いて、仰向けになった男性が片手でそっと女性の乳房触れている。オンナ目線からすると、女性のカラダが思いっきりモノ扱いされてるように見えちゃう。でもね、うっすら愛情らしきものも感じられるの。うーん、エロス!!

ロダンの彫刻は男性より女性のカラダが好きです。そらしてたり、ねじれてたり、筋肉の美しさが強調されるポーズは弾力感がともなうぶん、男性のそれより表情が豊かです。一見ムキムキそうでいて、ボディビルダーみたいな腹筋の割れ方はしていない。あくまで実生活の力仕事なり、適度なスポーツなりで鍛えた感じのグラマラスな肉体。不自然にくびれすぎていないお腹と腰、いかにも脚力のありそうな太股とお尻は健康美そのものです。すんなりと伸びた膝から足首までのラインがまた素敵。実在する美女でいえば、アンジェリーナ・ジョリー、ジェニファー・ロペスのナイスバディを例に挙げると伝わるでしょうか。

そして、おっぱい! 胸じゃないぞ、あえておっぱいと呼ぶぞ。シリコン入ってんじゃないかと思えるようなお椀型のおっぱいちゃんもいますが、自然な形のおっぱいがとにかくきれいなんです! だいたい巨乳ちゃんだけど、やや小さめのおっぱいも形がものすごく良い。その裸体に似合う服を想像してしまいます。あまり立派すぎると服を着たときおデブに見えて損だろうなとか、矯正ブラなしでこの形だったら男物のシャツ一枚羽織るだけでもセクシーだよなとか……。寄せて上げて谷間つくってるスレンダーな日本人女性のおっぱいとは明らかに違う官能美です。美術館でいったい何考えてるんだ自分? ――ハッと我に返るまで、ひたすらおっぱいに見入っておりました。
[PR]
# by toyorubichun | 2006-04-10 00:50 | 美術
2006年2/9(木)~26(日) 初台・新国立劇場 小劇場
A席¥5,250  B席¥3,150
作:テネシー・ウィリアムズ 演出:イリーナ・ブルック 出演:木内みどり/中嶋朋子/石母田史朗/木場勝己

1930年代アメリカ、セントルイス。
南部でリッチな生活をしていた娘時代をひきずる母アマンダと、
ビジネススクールに通うのもままならない、社会性ゼロの姉ローラと、
工場で働き、家計を支える詩人の弟トム。
経済恐慌の煽りを受けて質素な暮らしをする家庭に、父の姿はない。セールスマンの父は妻と子を捨てて失踪してしまったのだ。ストーリーは息詰まるような生活から逃げ出したかったトムの回想で語られる。テネシー・ウィリアムズ自身の家庭をモデルとした自伝的作品だ。

母アマンダは、器量良しの娘ローラに過大な期待をかけている。こんなにきれいなんだもの、引く手あまたよね! と。しかしローラは婚期を逃しつつあるオールドミス予備軍のうえ、ガラスのコレクションにしか興味のない内気な女。弟トムは、うるさい母のリクエストに応えて友人の青年を夕食に招く。活力あふれる青年は、鬱屈した家庭に新鮮な空気をもたらす。しかも彼は、ローラがかつて学生時代ひそかに想いを寄せていた人なのだった。青年はやさしい言葉とキスでローラにひとときの夢を見せる。しかし――「僕は売約済みなんだ」。そう、イイ男がいつまでもフリーでいるわけがない。儚いロマンスはまさにガラス細工、そんなこともあったなと思い出すのは中年になったトム。うっとうしい家族に対する憤りと愛情は、胸に淀んで消えることがない。


『欲望という名の電車』と並んで、タイトルはよく耳にするし魅力的……と思いつつ観たことのない作品。やっとこさ観る機会がやってきました、テネシー・ウィリアムズ。繊細な心理劇って、ウーンて考えてるうちにうたた寝しちゃうんですが、今回は静けさも椅子の座り心地のよさもなんのその、うわあぁああっ、と肌のあわ立つような舞台でばっちり見届けました。

中嶋朋子さんが、足が不自由で情緒不安定な女性ローラを演じていたんですが、「傷つく演技」の完璧な形を観た気がします。夢のような一瞬に浮かれて、すぐそれがかき消えてしまうシーン。か細い肩をすくめて手回しレコードプレイヤーの前に佇む彼女に台詞はありません。恋した男と自分の弟が交わす会話は耳に入ってこない。彼女はただただ自分の闇に沈みこんで、ガラス細工の動物だけを遊び相手に妄想世界へ還っていく。その立ち姿はどう転んでも、世間知らずのオールドミスが落ち込んでるだけの様子にならないのです。誰に愛されることもなく朽ちていく美、その持ち腐れ感があますところなく表現されていました。

四方から眺めて完璧なプロポーションを確かめることのできるロダンの『接吻』(私が観てるのは上野の複製ですが)を鑑賞するときの気持ちと同じでした。『ガラスの動物園』は小ホールの下手、かなり後ろの席から観ましたが、おそらくどの距離や角度から観ても、中嶋さんの立ち姿はゾッとされられるものでしょう。

青年に束の間の夢をみせられてうっとりするとき、ちょっとしたダンスシーンがあります。青年と踊る社交ダンスもあるんですが、そちらではなく、中嶋さんソロの、ゆらゆらと上半身を漂わせるようなダンス。これが美しい。ミュージカルみたいにバリッと踊るよりも、ストレートプレイに突如挿入されるこういうタイプの身体表現はとても好きです。所在なさげにたどたどしく話していたローラの心が、開放されてふわふわ広がっていくかんじ。

余談です。舞台と彫刻に同じ美しさを感じることがよくあります。動いてるものと静止しているもの、生身と大理石という違いはあれど、空間を支配する美しさという点で共通しているので。と、急激に中嶋さんラブ! となった想いをぶつけてみました。公演期間終わっちゃいましたが、再演のあかつきにはお見逃しなく。
[PR]
# by toyorubichun | 2006-02-28 00:40 | 舞台
2006年1月7日(土)~11日(水)
渋谷駅・東急東横店 東館5階 特別サロン(喫茶サンジェルマン横階段おりる)

フィリップ・ジャンティとか『攻殻機動隊』とか、人形をテーマにした作品が好きなのですが、人形そのものの展示をそういえば観たことがありませんでした。複数の作家さんがそれぞれの小さなブースを思い思いに使っていました。一度にいろんな人の作品が観られる、というのは入門編として最適。人形ってキレイだけど、あんまり違いが分からなさそう……という気がしてたんですが、実際行ってみると、自分の好みが新たにわかりました。

b0002385_0333698.jpg

▲今回いちばん心ひかれたのが、石田百合さんの作品。舞台衣裳、お芝居もしてるそうです。もともと絵本作家になりたかったという石田さんは、フェルト生地を使ってメルヒェン世界を立体でつくっています。色合いがたまりません。今年のGWに同じ場所でまた彼女の展示があるそうです。たのしみ!

b0002385_0324025.jpg

▲この子は後ろ姿美人♪

b0002385_033354.jpg

▲和装も洋装もお美しい。

b0002385_034295.jpg

▲顔が命ですね。

b0002385_0332692.jpg

▲カバン入りの着せ替え人形。

b0002385_0334951.jpg

▲写真ブレちゃいました。まるっこくてかわい~い。

b0002385_0343968.jpg

▲物憂げな美少女。

b0002385_0351798.jpg

b0002385_0341812.jpg

▲怖キレイな人形。欲しい……。

b0002385_0345352.jpg

b0002385_0353666.jpg

▲お人形本体もさることながら、服の生地がすてき!
 ツイードとベロアは清楚でなくちゃ。

b0002385_0545175.jpg

b0002385_0355283.jpg

▲少年と犬。ベッドがゴージャス。
[PR]
# by toyorubichun | 2006-01-17 01:06 | 美術
ロリータ男爵10周年ありがとうセレモニー
~祝っていただけるのでしたら~
2005年12月11日(日)Open18:00/ Start19:00
新宿ロフトプラスワン
料金:前売券¥2000/当日¥2200(飲食別)
出演:田辺茂範、大佐藤崇、斉藤マリ、役者松尾マリヲ、加瀬澤拓未、丹野晶子、草野イニ、斉藤麻耶、足立雲平、大沢ラーク、立本恭子ほか
ゲスト:エッヘ、クリウィムバーニー、森田ガンツ(猫のホテル)

10周年を飾る本公演、『信長の素』東京の陣・大阪の陣が終了して、
もうひとつロリータ男爵の10周年お祝いイベントがありました。
ロフトプラスワンに入ると、

b0002385_1181245.jpg

メイドさんが。
b0002385_1182531.jpg

メイドさんがいっぱい!

b0002385_1183854.jpg

「お帰りなさいませ、ご主人さま」
▲左から斉藤麻耶「最近金遣いが荒いの♡」、斉藤マリ

b0002385_1185191.jpg

大胆に背中のあいたメイド服!? 
▲草野イニ「宅配ピザにハマってます♡」

b0002385_1191084.jpg

メイドさんが飲み物とおつまみをもってきてくれます。
▲大沢ラーク

b0002385_1193075.jpg

▲ぞくぞくとお客さんが到着。おもむろにアイドル、アニソンの
カラオケを歌いはじめるメイドさん。

b0002385_1194131.jpg
b0002385_1195221.jpg
b0002385_1195960.jpg

『まいっちんぐマチ子先生』『ストップ!!ひばりくん』
を歌い踊るメイドさん。ああ、胸キュン!
▲足立雲平

b0002385_1201579.jpg

▲斉藤マリ

b0002385_1202946.jpg

萌えない眼鏡メイド。野太いウラ声でヒロスエ熱唱。
▲役者松尾マリヲ「ロフトまで自転車で来ました♡」

b0002385_1203928.jpg

▲大佐藤崇「夜なべしてメイド服つくりました♡」

b0002385_1205281.jpg

フロアで踊りだすメイドさんたち。

b0002385_121446.jpg

介護付き(!?)で歌うメイドさん。衝撃の事故から復帰したあの人!!
▲左が加瀬澤拓未「退院しました♡」

b0002385_1211779.jpg

▲甲斐甲斐しく働くヒゲのメイドさん。
 イベント中、ステージのセッティングもメイド姿で大活躍。

b0002385_1214221.jpg
b0002385_1215311.jpg
b0002385_1220100.jpg

いよいよ本格的に開幕! 
ふだんは味な脇役を演じている主宰タナベが、前へ、前へ。
▲中央、田辺茂範

【みんなに質問&トーク】

~加瀬澤拓未、事故の瞬間~
※くわしくはロリータ男爵HPトップ→ヨミモノ→『たくみの回復日記』に載っています。

『信長の素』の本番中、ザビエル役の加瀬澤拓未が3メートルの高さから落下した。事情を察知し、いったんお客さんにロビーへ移動してもらう。懐中電灯に照らしだされた加瀬澤拓未の耳からは、鮮血が……。モニターを見て泣く者、放心状態の者、楽屋はパニック寸前。すぐさま救急車が劇場に横付けされた。

舞台監督の「続けるか、中止するか」という問いに、メンバーは続行を決意。その後の段取りについて緊急ミーティングが開かれた。ザビエルがいなくなった設定で進行を組み直し、ザビエルとの掛け合いが多い、信長の影武者役・草野イニが、ふたり分の台詞を話すことに。

再開は劇中歌『お菓子だいすき』でスタート、「会場から出るのも演出の一部だと思ってた」というお客さんもいたという。翌日からの公演は、演出・田辺茂範がザビエルの代役をつとめた。

「ザビエルはカラーコンタクトしてて、瞳孔の確認ができなかったんだって」
「救急隊員、困るよね」
「あとザビエル、首に十字架さげてるでしょ。運ばれてるとき、それを
 ギュッと握りしめてたらしくて、
 『これ外すか!?』
 『いや、宗教上の問題があるんじゃ……』
 『外したらまずいか?』
 『どうなんだ?』
 『……外そう!』
 って一瞬もめたらしいよ」
「入院中もザビエルは、『僕も参加してるんだ』という気持ちをこめて、
 ずーっとザビエルの頭のまんまだった」
「うん、大阪公演終わるまで、まん中ハゲを通してた」


~男性キャスト着替え中の、女性チームトーク~
「いつも前説やってる松尾マリヲが、『タナベさんが水を漏らした』
(ロリータ男爵企画イベント)のときに、×××を××したの知ってる?」
「えーーーー!!」
「さいてーーーーーー」

b0002385_1231171.jpg

▲暴露話で盛り上がるさなか、当の役者松尾マリヲが登場。
「誤解だ! 誤解なんだ!!」
「あなた早く着替えてきなさいよ」
「誤解をとくまで着替えるか!!」

~主宰タナベのいたずら武勇伝~
「いたずらの天才、タナベさんの最高傑作はなんでしょう」
マシュマロの中に唐辛子入ってたことがある」
「あれ、カッターでマシュマロに切れ目入れて、ボトルシップつくる要領で入れたんだ」
「手が込んでるなあ……」

「静岡の超歌劇団と宿中、
 寝てるときに加瀬澤君にガムテープ貼ってたっけ」
「足をぐるぐる巻きにしても起きなかっんだけど、寝返り打った瞬間
 スネ毛がビリッ! ほかのとこもビリビリッ! て一気に抜けちゃって、
 すんごい痛そうなの。でもひととおり剥がれたらまた寝ちゃった

~大佐藤崇、台詞は男らしく言い切る~
「稽古中に何回直しても間違えちゃう」
「ワンワンて噛む、あの犬さ! って間違えてた(『犬ストーン』より)」
「ワンワンて鳴く、あの犬さ! が正しいのに」
(稽古場を再現して)
大佐藤「ワンワンて噛む、あの犬さ!」
タナベ「ワンワンて鳴く、あの犬さ!!!」
大佐藤「ワンワンて噛む、あの犬さ!」
タナベ「ワンワンて鳴く、あの犬さ!!!!!」」
大佐藤「それ、なんの前フリ?」
タナベ「前フリじゃないよ、ダメ出しだよ

【ロリータ男爵 劇中歌】
b0002385_1242480.jpg
b0002385_1243554.jpg

▲『信長の素』より、♪お菓子だいすき♪

b0002385_124485.jpg

▲これが加瀬澤ザビエルだ!

b0002385_1251142.jpg

▲親方様(落ち武者バージョン)、ビールでほろ酔い。
ことあるごとに「乾杯」の音頭をとりたがる。

b0002385_1253181.jpg
b0002385_1254072.jpg

▲役者松尾マリヲの単独ライブが今夜復活!
曲はもちろん、『マリヲン☆ナイツ』テーマソング。おでこにツノを付けたこの衣裳は、かつてロリータ男爵の前説、MCで活躍していた歌謡歌手・一角二朗のもの。懐かしい。
b0002385_1304311.jpg

▲一度きりのディナーショーを見せてくれた一角二朗は、今いずこ。

b0002385_1262188.jpg
b0002385_1263734.jpg

▲ロリータ男爵+EHHE公演『ひみつガール』テーマソング。
アップルホッペ(丹野晶子)&エッヘ

b0002385_1264717.jpg

▲アップルホッペに、カメラ小僧がにじり寄る。

【カラオケ大会】
b0002385_127753.jpg

▲雲平ちゃんがマドンナに! 曲は『Like a virgin』。

b0002385_1272057.jpg

▲モノマネ王座決定戦ばりのABBA。
中央、左から立本恭子、斉藤マリ
b0002385_1273232.jpg
b0002385_1274333.jpg

▲森田ガンツ(猫のホテル)による、尾崎豊『シェリー』。
哀愁漂う歌詞が、疲れた背中にあまりにも似合う。
カラオケのモニターを見ず、歌詞カードを読みながら歌うのはなぜ。

b0002385_1275740.jpg

▲丹野晶子が客演するダンスパフォーマンス、クリウィムバーニーが歌うあやや。

b0002385_128628.jpg

▲プレゼントに当選したお客さんが、ロリダンの衣裳を着て歌う。
紅白のトリを飾るかのような歌いっぷり! 曲は布施明『マイウェイ』。

【しりとりエチュード】
b0002385_1282427.jpg
b0002385_1283488.jpg
b0002385_1284442.jpg

▲誘拐犯/子ども/親/警官 など、決められた配役で即興芝居。
「その子を返し」→「て」のカードをゲット。
カードの獲得数がいちばん少なかった人には、
マリヲのキッス、グロ映画鑑賞ほか、過酷な罰ゲームが待っている。

【母より、『16小節のLOVE SONG』】
b0002385_129155.jpg

▲プロレスラー、三沢光晴に扮した斉藤マリ。
「加瀬澤呼べ~!」

b0002385_1291828.jpg

▲加瀬澤拓未の母がしたためた、息子への手紙を朗読。
事故のこと、芝居のこと、子どもの頃のこと……
感動的な文面に、思わず涙する加瀬澤。

三沢「(手紙の末文)……2005年12月11日、田辺茂範」

ゴーストで書いた手紙だったと明かされ、目がショボショボになる加瀬澤。
加瀬澤「え、お母さんじゃないの? ……えーー……」



以上、もっともーーーっと盛りだくさんな3時間半でした。

斉藤マリさんへプレゼントを渡しました。
岐阜のお土産屋さん「楽市」で売ってる、家康の土鈴!
b0002385_1294490.jpg
b0002385_1295440.jpg

[PR]
# by toyorubichun | 2005-12-19 01:34 | 舞台
12月4日 渋谷 AX
official bootleg vol.007&smooth like butter tour

ツアーファイナルとあって熱い熱い。

■+/-
 ブランデーグラスを揺らしながら裕次郎が出てきそうな、ムード歌謡……オープニング演出ではなく、これが彼らの新譜1曲目なのだった。まったりめなテンポと爆音のブレンドが心地良い。メンバーは、ラーメンズの片桐仁をちょっとソフトにしたようなメガネでモジャ頭のボーカル&ギター、同じくメガネで物静かなギター、セッティングに手間取ると「チョット待ッテ!!」と大声をあげるドラムの3人組。ほかに、ベースらしき人がひとり付いていた。なんかこのバンド、演奏形態がおもしろい。3人がそれぞれギターなりドラムなりを演奏しながら、サンプラーやキーボードをちょこちょこ操作する。打ち込み系のリズムがあえてナマ音のドラムだったり、しみじみしたギターリフがサンプリングだったり、音のコラージュが楽しい。

b0002385_284444.jpg

b0002385_285835.jpg


 ベーシストが時折、中央に据えたキーボードへトコトコ歩いてって弾いては、また定位置に戻る。キーボードとベースの間にいる物静かなメガネ君は、機材をよけ、楽器をかばいながら移動するわけだが、それはあたかも熟練のラーメン職人ふたりがスープ鍋を抱えて厨房をすれ違うときのような、慎重かつ地味な緊張感が漂っていた。ソフト片桐仁の日本語MCがすべて敬語なのも微笑ましい。「アリガトウゴザイマス」を3回4回と繰り返すうちに「あざーござーっす」になっていくのがまた微笑ましい。

 the band apartはいいバンドと共演するものだから、つい会場でCDを買ってしまう。これまでのhe、ANCIENT GREEKSに続いて今回は+/-の最新アルバムを購入。サイン&握手付きの大売り出しだった。「写真撮っていい?」「オ~ケ~!」(ライブ中には許可なく撮影しませんよ、念のため)快く引き受けてくれたので、パチリ☆ 右が落ち着きのないドラム、左がおとなしめのギター。ソフト片桐仁を撮れなかったのが悔やまれる。


■bloodthirsty butchers
 +/-のドラムと、ツインドラムで始まり始まりー! バンドのセッションというより、あばれ太鼓であった。


■mock orange
 CD欲しいなあ。会場になくて残念。意外と美形なバンドでした。MCをボーカルが英語でぱらぱらっと言った後、おもむろにテープレコーダーを取り出し、「私たちはツアーでたいへん疲れました。でも、みなさんの応援を聞いて元気が湧いてまいりましたー」←へなちょこにグーを突き上げる。そして何事もなかったように次の曲へ。んで今度はベースのMC、またおもむろにノートを取り出し、「お茶デモ飲みまセンカ?」「主人ガお世話になっておりマス」と咄嗟に使える日本語を披露。口下手なバンドマンは芸が細かい。


■the band apart
 ボーカル荒井のMCはいつも結婚式のスピーチか、校長先生の朝礼みたいに実直である。感極まった観客の声援を「えー、ハイ」と校長風に軽くいなし、「最後まで残っていただいて、誠にありがとうございます」と感謝を述べ、いつもどおりズビシッ! と最敬礼。格闘家チックなガタイと甘い声と、この折り目正しさ。まちがっても「今日は来てくれてありがと~う!」とか煽ってこないのだ。ふと思い出したように、もうじき出るDVD発売の告知もする。「すいません、お願いします!」ズビシッ! いやいや、なんで謝るのさ。今回の曲順は一番よかった。大好きな『Eric.W』『real man's back』で始まっちゃったら跳ねずにいられないよ、ペース配分むちゃくちゃになっちゃうってば! 会場外の冷え込みなんてなんのその、真冬だってのに一気に汗が噴き出す。確実にホール内の室温が上がっていた。今回、ライブに初めて連れていった友達がベース原を見てはしゃいでいた。「なんであんな嬉しそうなの!?」と。うん、何度行っても見飽きない。ひげもじゃ巨体の原が、天にも昇る笑顔で演奏するところは。大きいから、ちょっと離れててもよく見えるんだよね。

 18時スタートで、バンアパが始まったのは21時過ぎ。入れ替えの間があるとはいえ、1組につき1時間近く演奏してる計算になる。ずいぶんたっぷりやってくれるんだなぁ、でも撤収時間は伸ばせないでしょ? ドキドキドキ……悲しいかな予感は的中、7曲目の終わりに「残り2曲」の宣言をされてしまった。もうちょっと聴いていたいな、とは思ったけどしかたない。『K.and his bike』のイントロから歌い出しまで、水を打ったように静かだったのが印象的。観客のマナーが良いというか、上がるときも落ち着くときも一体化してるんだよなあ、the band apartのライブはいいなあ。宣言どおり9曲目でステージを降りてからはアンコールなし。鳴りやまない拍手を、荒井&原がおさえにやって来る。

原「じゃあ質問コーナーでもやるか」
荒井「いやマジで、質問コーナーやってる時間ないぐらいケツカッチンなんすよ」

すまなそうな顔をされると、あんまり駄々こねていられなくなる。ほんと、じゅうぶんですから。わーい、次のライブが楽しみだ。DVD見て待ってようっと。

Eric.W
real man's back
coral reef
violent penetration
higher
amplified my sign
Snowscape
FUEL
K.and his bike
(↑ひとさまの日記から拝借。感謝!)


 12月14日発売の2枚組DVDは、去る7月23日新木場スタジオコーストのライブを収録したもの。the band apart、幻のワンマンステージといっても過言ではない。当日の夕方、千葉県北西部でマグニチュード6.0、東京でも震度4~5と感じる大きな揺れがあり、全線がゆうに1時間は硬直状態に陥った。運転の再開がとくに遅れたJR武蔵野線ほか、新木場までの交通を阻まれた観客は、チケットを握りしめて涙を飲んだのだ。ライブ開演は約40分ズレ込んでのスタートだったと記憶する。3~4曲終わった頃にたどり着けた私は、まだ幸運といえる。改札を出て、the band apart目当ての人たちが「着いたー!」と雄叫びをあげてコーストへ向かう姿に、赤の他人でも後ろから肩を組みたくなったものだ。

その日のライブ中、MCで「きょう会場に来られなかった人のチケットは、次回行うZeppTokyoのライブで振替えチケットとして使えます。あとできちんと情報流しますが、もし一緒に来るはずだった友達がいたら教えてあげてください」と早々に発表された。なかには遠方だったり、予定が合わなかったいで、返金以外に手段がなかったお客さんもいただろうけれど、迅速な対応に感心した。the band apartには、いつも誠意を感じる。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-12-06 01:56 | the band apart
ヨーロッパ秋まつりin日比谷
2005年11月13日(日)日比谷公園
楽しいムーミン一家 ぬいぐるみショー ~おさびし山の大冒険~

アニメ主題歌『夢の世界へ』とともに、おねえさん登場。
「さあ、みんなで呼んでみよう。ムーミーン!!!」
b0002385_232186.jpg


声のキャストは、平成ムーミンの声優陣。
子ども向けにおっとりしたテンポです。

ヒマを持て余したミイとムーミントロール。
フローレンを誘って、スナフキンのテントへ。
b0002385_2345860.jpg


スナフキン「やあ、ムーミン」
b0002385_2352065.jpg


通りがかりのスニフも連れて、おさびし山へ出発!

ナレーション「ミイはなにか企んでるようですね」
ミイ「おさびし山のオバケに変装して、みんなをおどかしてやろうっと」
いつもならスティンキーの役どころ!?
b0002385_2364440.jpg


ムーミン谷の原っぱでは、ヘムレンさんがめずらしい植物「おさびし草」を発見して大喜び。
b0002385_238538.jpg


おさびし草をミイが食べちゃった。
b0002385_2384920.jpg

ムーミン「ヘムレンさん、元気出して」
ヘムレンさん「いかん、こりゃえらいことになったわい」
b0002385_2395873.jpg


おさびし草の毒が回ってミイが暴走。
ヘムレンさん「あれを食べた者は凶暴になるんじゃよ」
ミイ「ぐおぉぉおーーーー!」
b0002385_23102639.jpg


ミイを治すには「やさし草」という、おさびし山の崖に生えている草を食べさせなくてはならない。ムーミンとスナフキンはやさし草を探しに行く。
b0002385_23113050.jpg

ミイの容態が急変した! うろたえるスニフ。

ムーミン「みつけたよ!」
ヘムレンさん「おお、まちがいない、やさし草じゃ」
スナフキン「さあミイ、食べるんだ」
b0002385_23124899.jpg


やさし草が効いてミイ回復。
b0002385_23134671.jpg

ミイ「あれ? 私どうしちゃったの?」
スナフキン「ちょっと悪ふざけが過ぎたようだね」

みんな遊びに来てくれてありがとう! ばいばい!
b0002385_2315281.jpg

b0002385_2317449.jpg



~おまけ~
b0002385_23173250.jpg

ムーミン、チャック……。

b0002385_23294479.jpg

フィンランドはムーミンとサンタクロースのふるさと。

b0002385_23303946.jpg

フィンランドの飴、サルミアッキ。またの名を「世界一まずい飴」、試食しました。グミのような食感。ちょっと匂うけど塩飴みたいなしょっぱさがなかなかオツだな……うっ!? 口のなかにみるみる広がる危険な刺激。なんだこの、「食べられません」と書かれたものを口に入れてしまったような抵抗感は!! 顔を歪める私を「あ、やっぱムリ?」みたいな表情で見守るフィンランドテントの金髪美女。んんんんんんっっ! テントを立ち去り、そっと紙に包んで捨てました。サルミアッキ、恐るべし。

b0002385_22512917.jpg

色づく木々を見上げながら公園に向かうと、
b0002385_22521587.jpg

でっかいピングーが。
b0002385_22523714.jpg

なぜかペリカン。↓岐阜には鵜像があった。並べてみるとそっくり。
b0002385_22552646.jpg


b0002385_2256188.jpg

なぜか埴輪。日比谷公園、不思議なものがいろいろありそう。日をあらためて散策してみよう。

b0002385_22562870.jpg

b0002385_22564838.jpg

通常は立ち入り禁止の芝生が開放されてました。『ムーミン谷の夏まつり』でスナフキンが立ち入り禁止の看板を引っこ抜いて、ニョロニョロの電波攻撃で番人をこらしめるお話が思い出されます。こんな広々した芝生で遊べないのはもったいないよなぁ。

b0002385_2257994.jpg

オランダのテント。ミッフィーは50周年、ムーミンと10歳違いのアイドルですね。

オランダ土産の木靴。か、かわいいいっ。
b0002385_22574138.jpg

b0002385_22575537.jpg


民族衣装も売ってました。これはハンガリーのもの。
b0002385_23235865.jpg


ルネサンス発祥の地イタリアは、テント内にこんな装飾が。
b0002385_22585135.jpg


ヨーロッパはワインがいっぱい。
b0002385_22593891.jpg

b0002385_22595887.jpg

b0002385_2301327.jpg


b0002385_2303973.jpg

b0002385_2305281.jpg

スロバキアの踊り。年配の方も軽やかにダンス♪
[PR]
# by toyorubichun | 2005-12-03 23:42 | 舞台
b0002385_0343388.gif

『ロッテ・ライニガーの世界』
12月16日(金)まで恵比寿・東京写真美術館ホール
3本立て連日5回上映 11時~19時 
■Bプログラム 11/24(木)~12/4(日)
「カルメン」+「ガラテア」+「アクメッド王子の冒険」
■Cプログラム 12/6(火)~12/16(金)
「パパゲーノ」+「ガラテア」+「アクメッド王子の冒険」

 「アクメッド王子の冒険」は1926年につくられたドイツの影絵アニメーション。アラジンと魔法のランプとか、天の羽衣っぽいのとか、アラビアンナイトをモチーフにした5編の映画です。上のURLから動画もちょっと見られますが、あの細かさ、スピード感、ド迫力、セクシーダイナマイツ加減は映画館じゃないと伝わりません!! セリフとナレーションは字幕のみで、シンバルがバシャ~ン、管楽器がパオ~ン、といちいち大袈裟なオーケストラ音楽が、ストーリーを追っていきます。もうスゴすぎて笑っちゃうの、字幕にしたって壁紙がすてきな幾何学模様だしね。瞬きするヒマないっての! ほか2本の短編が音も映像もガタガタに古いせいか(おもしろいけど)、「アクメッド~」が始まった途端にハッと目が覚めました。

オープニングは登場人物の紹介。これがコンテンポラリーダンス観てるみたいなの。リアルだけど動きすぎるなぁって印象があるディズニーの人体と、似てるようでまったくちがう。しなやかで、ありえない曲がり方してるんだけど人のカラダってなんて美しいんだろう……、と溜息の出る感覚をアニメーションで感じるとは。人形の関節を動かしてコマ撮りしたらしいけど、関節の継ぎ目なんてどこも気になりません。シーンはめまぐるしく変化していくのに、ひとつひとつのカットが絵画の一作品として完成しているほど美しい。

アニメーションは、動くゴージャスな絵本だ! と当時の観衆がひっくり返ったのと同じように、恵比寿でひっくり返る人が続出してるにちがいない。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-12-01 00:37 | 美術
10月7日(金)霧雨に立ち尽くす武将たち
滋賀との県境にほど近いテーマパークへ行く。ウォーランドって。「戦場」の直訳にしては緊張感に欠けやしないか。天下分け目の合戦だよ? 今の日本てコレなかったら全然ちがうんだよ? そんなボヤきは一歩足を踏み入れれば消し飛ぶ。日によっては忍者ショー、歌謡ショーがあるらしい。場内にはえんえん、拳のきいた演歌が♪関ヶ~原~♪と流れている。また、合戦に使われた防具、武器などを納めた資料館がある。エラい順に武具がりっぱ。信長だけを“うつけ者”呼ばわりできないような、とんでもないカブトがいっぱいある。水牛のでっかいツノなんて付けちゃって、首の筋肉だけで支えられるの!? とか。足軽は死ぬに決まってんじゃん! という軽装。室内が暗かったせいもあるけど、空気が重く「ほんとに祟られそう」な気がして、写真撮れなかった。だって3万5千人が命を落としてるんだもん。

b0002385_093922.jpg



b0002385_0174923.jpg

▲当然、馬はリアル!
b0002385_0102287.jpg

▲馬上の取っ組み合い。武将たちは等身大より大きめ。名のある武将は名場面ごとにアナウンス付きで再現されていて、何箇所にも登場する。東西に徳川陣営、石田陣営が分かれている。生首がごろごろ転がってたりして、かなりグロい。

b0002385_0105115.jpg


b0002385_012458.jpg

▲いっぱいいる~!!
b0002385_011749.jpg

▲あっ、武田信玄、の亡霊……
b0002385_0113490.jpg

▲茂みに潜む鉄砲隊


b0002385_0152087.jpg

▲近所にある大蛇の伝説がモチーフ。ドラゴンじゃないのかよ!
b0002385_016341.jpg

▲草花に塞がれた通路。きもだめしができそう。


b0002385_0184062.jpg

▲奥の武将が筋斗雲に乗っている。そりゃ勝てないわ。
b0002385_0194421.jpg



b0002385_0433093.jpg

▲レストハウスの当て字が戦国です。館内はお土産売り場とスーパー銭湯。左は徳川氏、右は豊臣氏の家紋。あれっ、石田三成は!? ↓たしかに天下取れそうな雰囲気は醸してないかも……なんか縁起よさそうな家紋、石田氏(家紋Worldから拝借)。
b0002385_025396.jpg

[PR]
# by toyorubichun | 2005-11-07 00:43 | 岐阜
ざっと割愛するのは、ほかでもない。カエル子宅で平和な日常を送っていたのだ。漫画読み放題、ちゃんこ鍋食べ放題、ゲーム(鬼武者)し放題。カエル子の旦那様のお母さんに割烹料理屋でごちそうになったりもした。いや~、愉快なお母さんなんだこれが! いっしょに瓶ビール飲んでカンラカンラ笑ってた。「カエル子ちゃんは運転するから飲んじゃダメよ、ほほほほほ!!」新手の嫁いびりでしょうか。

カエル子宅にはびっくりするほどモノがある。溢れている。書籍の数は漫画喫茶並み、ほかにも年賀状からちょっとしたお土産に至るまで、恐ろしい数のモノがある。それらがきっちり整理されているため、「捨てられない癖」という印象はない。カエル子がラクガキを好むのは知っていた。しかし、遡っていくとスゴイものがどんどん出てくる。幼児期のおえかき帳、10代のアニメ模写、切り絵……お世辞抜きにウマい。「美大に行きたかった時期もあるんだけどね」と眉をハの字にして笑うカエル子だが、今でも描き続けていることが大切なんじゃないだろうか。そう、たまに描いてくれるイラストはやっぱりウマい。
b0002385_032261.jpg

▲プリンスのジャケットを真似たイラストは、味な一枚。

b0002385_04245.jpg

▲古いタイプライターまで出てきた。学生時代、英文科だったカエル子はこれでレポートを提出していたという。パソコン世代のくせにかっこよすぎ! 現役バリバリで使えるから驚き。

それから、カエル子んとこは夫妻ともにハードロッカー。カエル子はドラムとフルート、旦那様はギターでバンド活動をしていた。「ケンカもよくしたけど、旦那のギターだけは嫌いになれなくて」……結婚前にも、そんなロケンロールなノロケを聞かされていた。
b0002385_06496.jpg

ツェッペリン、メタリカ、KORN、ガンズ&ローゼス、Blankey Jet City、レディオヘッドなどなどのお宝ビデオを見放題。そもそもカエル子と知り合ったのはCD屋でバイトしていたとき。好きな音楽で一致したのはレッドホットチリペッパーズだけだった。カエル子に影響されてモトリークルー、ブラックサバス、ディープパープルのズンズン音に興奮する日が来ようとは、人生どこでトチ狂うか分からないものである。

アトピー肌に悩むカエル子が、美容マニアであることも知った。洗面所にセレブ御用達のヴェレダ製品が並んでいて「リッチ~!」と思ったら、オーストラリアからネットで安く取り寄せているとか。1泊分の基礎化粧品しか持っていなかった私に、一級品のスキンケア商品を惜しげもなく使わせてくれた。おかげで東京にいるときよりもキレイな肌を保てた。

ぜんそく持ちのカエル子が、毎晩測定器で肺活量チェックをしていることも知らなかった。健康な私には分からないことだらけ。ふつうに生きてるだけで、自分の何倍も手間がかかるのだ。カエル子の細やかな気遣いは、繊細な私生活のたまものなのかもしれない。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-11-07 00:08 | 岐阜
10月2日(日)17:00 岐阜市民のルーツ、加納城へ
信長まつりのあと、岐阜市内にある加納城跡へ行ってみた。加納城とは、徳川家康の長女・亀姫が嫁いだところ。なんと金華山山頂にある岐阜城の天守閣を、ココまで運んで使ってたんだって! 家康の信長に対する敬意、親愛の情がうかがえるじゃありませんか。まあ、嫁のおとっつぁんに新居を勝手に手配されちゃ、ダンナとしては面白くないかもしれないけど。

b0002385_2253245.jpg

なんてったって、信長のなし得なかった天下統一、秀吉・光成を蹴落としてのし上がった家康。地元のおじいちゃんおばあちゃんは、信長よりもむしろ、この亀姫に対する思い入れのほうが強かったりする。今も名残ある「城下町」のプライドは、岐阜城ではなく加納城に端を発するのである。亀姫を祀る神社も近くにある。

お堀だった石垣がわずかに面影を残すほかは、広々とした原っぱ。半裸のガイジンがボールを蹴って遊んでいた。カエル子によると、ほとんどが近所にある英会話教室の先生らしい。岐阜は住み心地がよいのか、英語しか話せないガイジンが大勢いるという。“サッカー禁止”の立て札なんておかまいなし。日本語読めなきゃ意味ないもんね。

b0002385_22532876.jpg

▲海なし県にダイビング・スクール。「だれでももぐれる」と言い切るのが岐阜流。

b0002385_234288.jpg

▲美容専門学校の看板。下の女の子はふつうなのよ。上の男が……ヅラ!?

b0002385_2254587.jpg

▲書店で中部限定の女性誌を発見。愛・地球博でプチバブルの名古屋、もともとのお姫様気質に新たなプライドが加わって、もう首都圏だって止められない。

b0002385_22542520.jpg



b0002385_22544990.jpg



b0002385_2255851.jpg



b0002385_22552728.jpg

▲鵜匠の像。鵜飼漁を眺めながらお弁当を食べる船があるんだけど、岸からもけっこうよく見えるらしい。火をガンガン焚いて魚をおびき寄せるとこ、見てみたい。

b0002385_22554526.jpg



b0002385_2256217.jpg

▲一級河川のうつくしい長良川。金華山から木曽川と見比べると、ずいぶんちっぽけな川だけど、川底まで透明なことに感動する。私が今まで知ってた川なんて、用水路みたいなもんだわ。急流に削られて、石がこの大きさでまんまる! 地元では大人も子どもも、夏になると長良川で泳ぐ。

b0002385_22562178.jpg



b0002385_22563989.jpg

▲金華山にある土産屋「楽市楽座」にあるナイスな品々。やはり信長公のお膝元、せんべいだって南蛮菓子のカステラ風味なのだ。家康、いい顔してる。なぜ土鈴。

b0002385_2342573.jpg

▲3つのチャペルがある結婚式場。交差点のすぐそばにあって、年中クリスマスかよという派手さのイルミネーションが灯る。

b0002385_22571491.jpg

岐阜に道三ありという名の焼き肉屋。ドーン。

b0002385_22572943.jpg

▲岐阜のグルメ、明宝(めいほう)ハム。地元のスーパー、全国からネットでも買えます。ジューシィで塩加減抜群、調味料いらず。フライパンでじっくり焼く。これでごはん3杯いけます!(画像はコチラから拝借)
[PR]
# by toyorubichun | 2005-11-06 23:06 | 岐阜
岐阜5日目【前編】信長まつり

10月2日(日)12:20 必見! 信長まつり
長かった……。1泊旅行の予定を延長して早5日目。
総勢170人の時代絵巻パレードを観るぞー!
来るわ来るわ、腰元、足軽、鉄砲隊をおともにつけたヒーローたちがぞくぞくと。なんでも馬にまたがるメインキャストは、岐阜市民の有志だそうで、毎年この祭りのために一般募集で選ばれるらしい。「われこそは信長」「アタクシが濃姫の生まれ変わりよ」といった具合だろうか?

岐阜市民2年生のくせに信長まつりを知らなかったカエル子は、「ずるーい! 私もアレやりたーい!!」とダダをこねていた。旦那は旦那で「どうせどっかのオヤジが信長のカッコするんだろ? 信長役にふさわしいのは、オレしかいねえだろ」と自信満々。うん、そーいう人たちが山ほどいる岐阜市だから49回もやってんでしょ、この祭り。夫婦そろって応募しろ! 合格したら来年も見に来るから!

b0002385_2031740.jpg

▲織田信長
「馬に乗りたくて応募した」というサラリーマン。ひげもお似合い。

b0002385_2031555.jpg

▲木下藤吉郎
しっかりサル顔。信長メインの祭りだもの、「秀吉」じゃなくて藤吉郎よね!

b0002385_20321831.jpg

▲森蘭丸
信長の寵童。ぜひとも美少年に扮してほしい人物ですが、女性でした。

b0002385_20323277.jpg

▲斎藤道三
威風堂々と扇をかざす道三。微動だにしないので撮りやすかった。

b0002385_20324943.jpg

▲ルイス=フロイス
岐阜在住の留学生? 群がる市民に、誰よりも愛想良く手を振っていた。

b0002385_20332040.jpg

▲前田利家
パレードの直前、事件は起きた。利家の馬が暴れて、試乗していた人が落っこちて、救急車で運ばれていった。荒馬を乗りこなしてこそ、信長と秀吉に見込まれた男・利家である。

b0002385_2030396.jpg

▲山内一豊の妻
おっと、マニアックなキャラが。へそくり上手の賢い女房だったそうな。

b0002385_20334177.jpg

▲お市の方
信長の妹、浅井長政の妻。ミスコン入賞者か何かだろうか、めちゃくちゃきれいな人でした(目、半開きの画像でごめんなさい)。濃姫と人気を二分して拍手が湧き起こっていた。濃姫はカワイイ顔してました。近づけなかったので画像ナシ。

b0002385_2034038.jpg

▲鉄砲隊
火縄銃の射撃実演もあり。駆け付けたけれど、間に合わず……無念。

b0002385_20341490.jpg

▲そうじ係
ポトリポトリと粗相あそばす馬を追い、すかさず片づける係員。こういう人たちのおかげで祭りは成り立っているんだなあ。

戦国武将のあとからは、さまざまな市民グループのパレードが続く。お目当てが終わったんだからもういいや、と退散するつもりがけっきょく全部観てしまった。幼稚園のお遊戯、小学生の鼓笛隊、ママさんダンスチーム、アニメだかゲームだかのコスプレ、姉妹都市があるんであろう国の大使館、3日3晩踊りとおすという隣町の盆踊り……収拾つかなくなってるサマが面白い。

b0002385_20523482.jpg


b0002385_20525050.jpg
▲虚無僧
ヒョオオ~、と尺八を吹く虚無僧の集団が!


b0002385_2053644.jpg

▲カーニバル
サンバのリズムでどんどこ登場。いったいなんの祭りだよ!

b0002385_20533816.jpg

b0002385_20532357.jpg▲がっちゃん
できれば動画をお見せしたい!! すんごいコワいんだよ~、ゆるキャラなんだよ~。「○○同好会」「○○学校」など、団体名を示すプラカードが先頭に立っているのがふつうなのに、コイツは「がっちゃん」としか書かれていない。説明になってねー! ひょっとして地方限定のキャラクター? 地元出身のカエル子の旦那に訊いてみたけど「こんなの知らない」とのこと。気になる……がっちゃん情報求む。

b0002385_205415100.jpg

▲信長太鼓
ブオォ~ブオォ~、ほら貝を合図にエイヤッドドドン! と始まったチビッコ太鼓隊。パレードが練り歩くメインストリートのほかにも、岐阜市中心街のあちこちで出店やイベントが催されていました。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-11-06 21:10 | 岐阜
10月1日(土)23:57 夜遊びだって金華山

会社から帰ってきたカエル子の旦那様を車で迎えに行く。「教習以来やってないから、ライト点けて運転してみたい!」私のリクエストに応えて、カエル子は運転をまかせてくれた。駅まで10分とかからない道のりに、やたら興奮してハンドルを握る。

「おいおい、ほんとに運転できんのか?」
ロータリーで面食らった顔の旦那様が、助手席に乗り込む。
「ハイ巻き込み確認、前方歩行者確認~、ハイいいよ~。次の信号変わる前に行っちゃおうねー、まだ変わんないよー。ここでアクセル、ハイ思い切って踏む~」
いきなり始まった教官のモノマネ。旦那様、意外な特技をお持ちである。

旦那様は、あやしげなフライヤーを取り出した。旦那様は東京にいた頃バンドを組んでいて、時折ご本人や知り合いの出演するライブを見せてくれた。岐阜に帰ってからも、音楽絡みのつきあいがいろいろあるようだ。フライヤーは旦那様の知人が出るイベントで、今夜、演奏とパフォーマンスを夜通し行うという。なんとこのまま、岐阜のクラブに連れてってもらえるのか? はたまたライブハウス? 日曜出勤を控えた旦那様は、知人の企画とはいえ行くのをためらっていたが、ちょっと顔出してみるかということになった。晩ご飯がわりにコンビニでおにぎりとお茶を買い、私は旦那様と運転を替わった。車は市街地を離れ、ずんずん山道へ向かっていく。ドライブウェイの坂を走り、着いた会場は金華山の展望台ひろばだった。夜景の上で野外ライブ! 岐阜の夜遊びは開放的だ。
b0002385_21422330.jpg

イベントは入場無料で、たまたま夜景を見に来たカップルを含め、100人くらい集まっていた。発電機につながれたステージ周辺の機材以外は、ロウソクを無数に灯してぼんやり明るい。車でしか来られないのを配慮してか、売ってるドリンクはすべてノンアルコール。健全でまったりとした空気のなか、おもむろにギターの弾き語りとウニョウニョした機械音のアンビエントが鳴り出す。どこからともなくベリーダンスのおねえちゃんが登場。

b0002385_21481298.jpg
b0002385_21563623.jpg



このパフォーマンスが終わったところで、警察官がドヤドヤやって来た。パトカー4台が駐車場に停まっているのが見える。
「ちょっと何してるの、ここ使う許可取ってないでしょ」
「申請したんですけど、返事もらえなかったんです」
「ドライブウェイは夜10時以降通っちゃいけないの、知ってるだろ」
私たちの目の前で、警官が主催者に尋問を始めた。しかし、“夜10時以降がダメ”って決まりは今初めて知ったぞ。カエル子も「へーそうなんだ」くらいの顔で聞いている。そんな標識や通行止めのロープは、ドライブウェイ入り口にない。今日のイベントどころか、ほら、そそくさと帰るあのカップルたちは、定番デートコースとして夜な夜な遊びに来ているではないか。

「撤収しろってことですか? 続けたらダメですか?」
「いや、ワシらそういうんじゃないから」
“そういうんじゃない”って、じゃあ何しに来たんだ? いちおう再開を待ったが、主催者は、警察を押し切る覇気をみるみる失っていく。

「ほんなら後は市役所の人が来るから、ワシらは帰る」
そう言い残し、パトカーは下山していった。まったくもって、厳しいんだかルーズなんだか分からない。みんな素直に引き返していくので、私たちも帰った。かくしてどこまでも健全な夜遊びは終了した。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-10-19 22:00 | 岐阜
10月1日(土)カフェ巡り
ついに「ぎふ信長まつり」初日を迎えた。わくわくして起きたものの、とくに花火が上がるでもなく、目抜き通りが出店でにぎわう気配もない。ほんとうに祭りはあるのか……? ローカル情報誌で調べてみると、祭りは翌日、日曜のパレードがメインらしい。カエル子宅で、ながてゆか著『TENKA FUBU 信長』の漫画を読み、心は信長一色の私だったが、きょうはのんびりクールダウンすることにした。

喫茶店でコーヒーを頼んだら、ゆで卵が付いてきた。居酒屋のお通しみたいに、ごく自然に。えっと、注文したおぼえはないよ? だいたいコーヒーにゆで卵って合うかな? たじろぐ私を尻目に、カエル子は「ここのゆで卵おいしいんだよー」と言って、殻をペリペリ剥いている。横浜出身のくせに、すっかり岐阜に溶け込んでいる。中部の喫茶店はオマケ付きが常識と知った瞬間である。

b0002385_15241978.jpg
▲大型スーパーの中にある喫茶コーナーでは、ミニサンドイッチが。



b0002385_15564255.jpg
b0002385_1524574.jpg
▲渋い老舗は紅茶におつまみスナック。




b0002385_1525189.jpg
▲おしゃれなカフェ。コーヒーだけの値段で、もれなくロールケーキがついてくる。





b0002385_15272314.jpg
b0002385_1527391.jpg
▲チェーン店も同じくオマケ付き。リーズナブルで居心地のいい「コメダ」は、岐阜のドトールといったところか。店舗も駐車場も広い、さすがクルマ社会。





b0002385_15283567.jpg
b0002385_15285370.jpg
▲岐阜市北部の建物は、城下町の風情を色濃く残す。蔵屋敷をまるごと改装した喫茶店は、コーヒーと蕎麦がおいしかった。「コーヒー+ゆで卵」が一般的な岐阜で、いまさら「コーヒー+蕎麦」の組み合わせに驚いてはいけない。1階はテーブル席と茶屋風の二人席。中ほどにちいさな石庭があって、落ち着く。2階は座敷。ゆったり流れるジャズに時間を忘れてしまうけれど、19時に店じまいという短めの営業。






b0002385_23165995.jpg
▲劇場を改築したバー、芸文館ホール。天井の高い中2階はステージになっていて、ときおり生演奏が行われるとか。梨の日本酒カクテルが絶品でした!
[PR]
# by toyorubichun | 2005-10-18 16:06 | 岐阜
9月30日(金)15:00 
「金華山のぼるぞ」
カエル子の旦那様は、ある日唐突に言い出し、わっせわっせと山に分け入っていくらしい。金華山山頂に砦が築かれたのは、鎌倉時代までさかのぼる。のち、下克上のさなかで美濃のマムシ・斎藤道三が居城とし、「稲葉山城」と名付けた。その孫の龍興を倒した織田信長が「岐阜城」と名を改めて、天下統一の拠点とした……という歴史がある。

車で向かう途中。岐阜城は市内から見える。
b0002385_1440629.jpg


岐阜城は観光用に再建されていて、岐阜市内にあるカエル子の家の玄関からも見える。地元の人がちょっとヒマだから城行ってこようかな、と思うのも頷ける近さだ。登山コースは老人・子どもの禁じられている「馬の背山」と、ゆるやかな「瞑想の小径」の二通り。幼少から幾度となく登っているカエル子の旦那様は、「馬の背山」をノンストップで歩くという。体力にまったく自信がない私とカエル子は、所要時間40分の「瞑想の小径」を選んだ。

【金華山 入り口】
b0002385_14412100.jpg

「触ったら火事になる」とおばあちゃんに怒られたっけ。彼岸花、曼珠沙華、どっちも美しい名前。

b0002385_14434619.jpg



b0002385_14441983.jpg

中国っていうか沖縄っていうか。くわっと見据える龍がかっこいい。

【登山スタート】
山道の傍らに、偉人の名言がドーン。「瞑想の小径」って、そういうことか。しかし、岐阜どころか日本の偉人がみつからなかったのは疑問。のぼっていく方向は同じだが、コース内に道が緩急何通りもあって、自分のペースで歩いていける。いろんな道を通るから、登山者全員が同じ名言にお目に掛かるとは限らないのだ。何度のぼっても新しい発見がある、うん、こいつは粋なはからいだ。「啼かぬなら……」の立て札も探せばどこかにあるんだろうか?
b0002385_1446545.jpg


谷底に吸い込まれそう。手摺りのない丸太橋は目がくらむ。
b0002385_14462518.jpg


景観ポイントでひと休み。岐阜は山にぐるりと囲まれた平野だ。Tシャツ1枚でちょうどいい、山登りにぴったりな気候のなかで、汗だく。この山ん中を鎧着てのぼってったわけ? ノブちゃん、あんたやっぱりうつけ者だよ……。岐阜城はまさに自然の要塞。天下統一の足がかりという名目よりも、山のてっぺんに城が欲しい! っていう単純な欲望が、信長を駆り立てたのではないか。う~む余は満足、満足じゃぁああ!! 我知らず、空に向かってカカカカカカカと笑っていた。
b0002385_14464459.jpg


所要40分のはずが、すでに45分を経過。「あと1,000メートル」「あと500メートル」の看板を見るたびに、励まされるような気の遠くなるような。意外とキツい!
b0002385_1447520.jpg


険しい坂をのぼりきると、ドーン。
b0002385_14472076.jpg


【頂上に到着】
きっかり1時間でフィニッシュ!
b0002385_14473368.jpg



b0002385_14485235.jpg


岐阜城内は有料の展示室になっている。三階建てのこぢんまりした城ながら、信長のハデ好みをしのばせる品々がおもしろい。自分は入信しないけど、キリスト教を擁護したという信長。べつにクリスチャンでもない日本人の新婦が、ウエディングドレスを着るのとおんなじ感覚だったのでは? そんなことを匂わせる絵がある。宗教画チックな構図と色づかいで描かれた、マリアでもイエスでもなく信長が主役の一枚! 「俺が神だ」ぐらいの勢いである。

b0002385_1447573.jpg



「尻鞘(しりさや)」
ロリータ男爵の小道具か!? 獣の毛皮であつらえた刀の鞘。荒々しくも実用性のありそうな逸品だ。

栗のソフトクリームを食べ、ロープウェーで下山。10分で地上へ。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-10-18 14:50 | 岐阜
b0002385_22534692.jpg

9月29日(木)12:00 嫁たちとトルコ料理ランチ
私が岐阜まで追いかけてきたのは、実をいうと宿主の友達だけではなかった。もうひとり、ステキな岐阜の嫁がいる。宿主の友達は、カエルが好きで置物とかいっぱい持ってる嫁。もうひとりは、ゴスペル歌うのが好きという元気な嫁。ここではカエル子さん、ゴス姐さんと名付けておこう。ふたりは私が別々の機会に知り合った他人同士なのだが、岐阜生活を始めた時期がちょうど一緒だったり、住所を照らし合わせたらけっこう近かったりで、よく似た環境で暮らしているんじゃないかと思っていた。「友達の友達はみな友達」ではないが、一度会わせてみたかった。それも、ふたりが東京に出てくるタイミングの重なったときではなく、岐阜の地で。私のひそかな野望が叶えられようとしていた。

ゴス姐と電話でランチの約束をする。
「うまいトルコ料理屋なんだけど、ゴス姐さん知ってますか?」
「知ってるも何も、その店ウチからチャリで5分よ!」
駅前で待ちあわせなんてまどろっこしい手間を省き、私たちは現地集合した。ゴス姐が自転車こいでやって来る。それだけで、もう笑ってしまう。私たちに許された制限時間は、夕方16時までだ。旦那とふたり住まいのカエル子と違い、ゴス姐は旦那のご実家にいる身。親御さんとお子さんの夕食に間に合うよう帰らなくてはならない。

「はじめましてカエル子です」
「はじめまして。とよちゅん久しぶりー、会うの4回目だっけ?」
「えっ、ゴス姐さんととよちゅんは親しいんじゃないの……?」
「親しいさ~、東京で3回飲んだだけだけど」
ゴス姐と顔を合わせたことはごくわずかだが、ゴス姐の日記をネットでちょくちょく読んでるせいで、遠くに住んでる気がしない。一方カエル子と会うときは、もしやレズ? と思うほど密着して過ごすわりに、通信手段をとんと使わない。だからといってこのふたりを、生身の友とサイバーの友などと分けることはできない。

さてランチは、ゴス姐のエンジン全開で始まった。岐阜の城下町に根付くふしぎな風習とは! 地元の学校がやろうとしている教育方針の問題とは! 嫁の報われない努力とは!――豪快に熱弁をふるうゴス姐と一体化して、普段おとなしいカエル子が前のめりになって言葉を継ぐ。それは同じ土地で“よそ者”扱いに耐えている嫁ならではの波長だった。ゴス姐が東京で“笑いのネタ”にしているエピソードが、すべて現実味をもって迫ってくる。もともと現実の話なんだけども、「そうそう」とスムーズに相槌を打つカエル子がいるこの状況と、酒の肴に「ありえねー!」とひっくり返る東京の宴席では重みが違う。

都会育ちで2年やそこら岐阜にいるカエル子より、私のほうが地方の事情を理解できる、と頭の隅で思っていた。私は18歳まで茨城県の田舎に三世帯で暮らしていたから、東京にはない近所づきあいとか、本家・分家の血縁関係を大事にすることとか、家庭内ジェネレーションギャップとかを肌で感じて育ったのだ。しかし、ここは岐阜。岐阜特有の負けず嫌いな気質だったり、代々築きあげてきた城下町のプライドは、筑波山のふもとでのんびり畑を耕す農民にはない面倒臭さがある。私は自分の田舎も排他的で、三世帯家族の面倒臭さは知り尽くしている気でいたが、岐阜はちょっとその比じゃない。なんか私ふるさとが茨城でよかったかも、と胸をなでおろすほどに。愚痴大会を聞かされるだけなら嫌悪感しか持てない。が、なんとかここで一石を投じよう、自分らしさを見失わずにがんばろうという嫁たちの気合いも溢れてくるものだから、おもしろがれるし、岐阜の歴史についていらんほど詳しくなっている嫁たちが眩しく見える。しまいにふたりには九州出身の親がいる、なんていう共通点も発覚した。なるほど、脈々と受け継がれる遺伝子もまた、ふたりを共鳴させるのか。

「うーん、ほんとによくできた嫁ですよ、カエル子もゴス姐も」
「よくできてるの基本だから! じゃないと岐阜でやってけないわよ!!!」
そ、そーすか、すいません……。ところで赤いスープやクリーミーなサラダの濃厚な味については、店を出る最後の最後で出た「おいしかったね」の一言に集約された。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-10-17 22:53 | 岐阜
b0002385_22131128.jpg

9月28日(水)15:00 初心者運転
岐阜について下調べをしていない私でも知っている、養老天命反転地へ行ってみることにした。車で約1時間――友達の車を運転させてもらった。私は今年9月初旬に免許を取ったばかりだ。そんな若葉マークのドライバーに任せてくれる、友達の懐の深さはすごい。走行中、彼女はナビしながら8ミリビデオを回し、真剣にハンドルを握る私を撮っていた。その余裕を私に分けてくれ。

9月28日(水)16:00 養老天命反転地へ駆け込み入場
到着後、小腹がすいたので塩やきそばを食べた。そうこうするうち閉園1時間前、入場が許されるギリギリの時間になってしまった。遠目にはそう広く見えないのだが……
b0002385_22192773.jpg



b0002385_2220949.jpg



b0002385_2220359.jpg

足を踏み入れて仰天した。次々に視界がひらけていく様は、あたかも夢のなかにいるよう。予備知識が「平らな地面がない」ということだけだったのが、かえってよかった。坂道どころじゃない、山登り並みに激しい起伏もある。ふつうに歩いててアキレス腱が伸びるのだ、日頃の運動不足がよく分かる。平日だからか、人影はまばら。私たちのほかには、カップル1組と学生らしい男の子グループ1組しかいない。
b0002385_22221586.jpg



b0002385_22223444.jpg

園外を仰げば、おむすび山がぽこん、ぽこんと連なっている。壮観だ。「アンタらどっから来た、たった1時間でここ回ろうったってダメだよ。どんどん行かないと、ホラホラ」警備員のおっちゃんに毒舌で追いたてられながら、傾斜をヨロヨロと進んでいく。ほとんど、遊牧民に飼われる羊だ。

【養老天命反転地記念館】
トイレかわいい! 天井はガラス張り。曇りの夕暮れどきに、自然光だけでこんなに明るい。個室にドアはないが、ちゃんと使えるもよう。
b0002385_22271383.jpg



b0002385_22274793.jpgb0002385_2228104.jpg


【養老天命反転地オフィス】
玄関へつづく小径も凸凹。
b0002385_22384139.jpg


【不死門】
銅板の猫さん。
b0002385_22392835.jpg




この辺りから、園内に残っているのは友達と私だけになった。
養老天命反転地を、通常料金で貸切!

【極限で似るものの家】
家具が壁に埋まってます。
b0002385_22403864.jpg



【精緻の棟】
壁の穴から次の景色が……私の身長(155センチ)では見えなかった。
b0002385_22413798.jpg




楕円形のフィールドを見下ろす道。
b0002385_22435453.jpg



b0002385_2335040.jpg




【切り閉じの間】
茂みに隠れた洞窟がある。目を閉じても開いても真っ暗闇の通路を、壁づたいに歩いていく。ここで悲劇が起きた。私はブキミなものが苦手だ。お化け屋敷にはいまだにひとりじゃ入れないし、子どもの頃に東京タワーの蝋人形館で腰を抜かし、親とはぐれたのを覚えている。だのに、「せっかく岐阜に来たんだから」とへんなヤル気を出してしまった。友達が手を握って誘導してくれたその距離3メートル、いや2メートル? 入った瞬間から視界全部が黒いのに、もっと濃い黒いシャッターが閉じていく感覚に襲われた。息ができない。「こっちだよ」とすぐそばで呼ぶ友達の声が、ひゅるるるると遠ざかる。パチンと意識が飛んだあと、「無理!!って言って、手ェ振りほどいて出てっちゃうんだもん、大丈夫?」と友達が心配そうに近づいてくるのを、深呼吸して見上げていた。私は外の岩場にへたり込んでいたのだ。

そんな事態を見越してか、警備員のおっちゃんが待ちかまえていた。「なんなら懐中電灯貸してやるから、ちゃんと奥まで行ってこい」――心臓がバクバク跳びはね、ニンマリ見やるおっちゃんを正視できない。ここまで醜態をさらす客もめずらしいだろう。怖いもんは怖いんだい、蝋人形館の恐怖を超えちまってる。おっちゃんの誘いを丁重に断り、這う這うの体で養老天命反転地をあとにした。

9月28日(水)22:00 旦那様はちゃんこ鍋がお好き
友達の家に到着。新居の間取りは2LDK、東京に住んでいた頃よりずいぶん広い。おしゃれなカウンターテーブルもある。しかし、ひときわ魅力的なのは本棚だ。漫画がどっさりあって、ここに監禁されても4ヶ月は飽きないだろう。伊藤潤二は怖くて読めないけど。

お腹をすかせて待っていた旦那さんと3人で、鍋を囲んだ。もともとスレンダーな夫婦だったが、並んだところを見ると、ふたりともさらにほっそりした気がする。鱈、豚、鶏、白菜、ネギ、にんじん、椎茸をたっぷり煮込んだちゃんこ鍋をモリモリ食べた。3人とも、酒を飲まずに熟睡。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-10-16 23:07 | 岐阜
岐阜へ嫁入りした友達に会う。
2年半前、友達が東京にいた頃私は、よく飲んだくれて泊めてもらった。
そこには私専用の歯ブラシが置いてあったし、岐阜に移るとき処分されて
しまったが、寝心地のいいソファーベッドがあった。
彼女も旦那さんも酒豪で、いちばん先に寝るのは私だった。
東京でさんざん世話になったのに、岐阜まで追っかけてって世話になる。
夫妻の新居で、ひさしぶりに浴びるほど飲むだろう。
聞かせておくれ、語っておくれ、私の知らない岐阜ライフを。
それ以外はノープランで出かけた。たった1泊だもの、荷物はこれだけ。
b0002385_23185361.jpg


9月27日(火)23:00 新宿→名古屋 夜行バス出発
ネットでみつけた格安夜行バス、往復¥6,800の予約を入れた。岐阜に1泊して、9月29日(木)深夜に名古屋を出るスケジュールである。予約の形式は、ツアー会社の口座に料金を振り込むだけで、チケット無し。便利にはちがいないが大丈夫かなぁ、自分じゃない人が席にいたらどうすんのさ? とドキドキして乗り込んだら、ほんとにいた。私の席に、日本語が6割くらい分かる感じの韓国人の女の子が。点呼中、彼女の予約したバスは別の車両だと判明し、しきりに「オカシナコノバスダッテ係ノ人言ッテタケド~」とつぶやきながら降りていった。その意気だ韓流!

9月28日(水)2:00 牧ノ原サービスエリアで熟睡
格安バスゆえ、トイレはない。その代わり1、2時間毎に通るサービスエリアで休憩を取る。朝6時到着予定なのだから、それまでふつうに寝てればいいやと考えたのは甘かった。足もとにゆとりがないのは贅沢言えない、でもリクライニングが倒れないのはチト厳しい。見ると周囲の客は、ナイスな角度でぐっすり眠っているではないか。私の席はハズレだったのね……。ま、毛布貸してくれるし、あかり消えるし、今まで観た芝居のタイトルを指折り数えていたら200本目くらいでまどろんでいた。

9月28日(水)6:00 名古屋駅に気をつけろ
小雨に濡れそぼる名古屋駅は真新しくきれいだった。JR東海道本線で岐阜へ向かう前に用を足そうとトイレに入ると、やはりピカピカ。それだけでいい旅☆夢きぶんなわけだが、どういうわけか紙がない。紙の自動販売機すらなかった気がする。ポケットティッシュを持っててよかった。名古屋嬢の身だしなみは紙から!

9月28日(水)7:30 岐阜駅構内で2回、釘づけ
快速を待って、岐阜駅に到着。友達が車で迎えに来てくれることになっている。暇つぶしに覗いたキヨスクで『anan』の表紙に釘づけ――成宮寛貴、ききき禁断のオールヌードですって!? 鼻息荒くバラバラバラッとページをめくると、きわどいポーズで横たわる成宮クン。そらもう眠気も吹っ飛ぶさ。一昨年、V6の岡田クンが肉体美を披露した『anan』は買っちゃったなぁ。
b0002385_21245337.jpg残像に酔いつつ構内を歩くと今度は「ぎふ信長まつり」の告知が。釘づけパートⅡ!! 織田信長……日本史の教科書に出てきても架空の人物にしか思えなかった武将。信長は岐阜で祭られてるのか? しかも第49回? 伝統あるな~! 開催は10月1日(土)、2日(日)だという。私の滞在期間をとうに過ぎる計算だ。呪うべきは己のノープラン、後悔先に立たずとはよく申したものよ。しかし“観光欲”とでも名付けようか、ついぞ予期せぬ情熱が湧き上がるのを止められなかった。ええい1泊旅行は取りやめじゃ! 復路のバスはキャンセルせい! 信長まつり、しかと見届けようぞ! 宿泊先の友達に許可なく、すでに私の腹は決まった。


9月28日(水)9:00 デニーズで納豆定食
友達と再会を果たし、ゆうに3時間はデニーズで話した。「長電話するより、会ったほうが安上がりだね」、そう笑った回数は2年半で2回。メールをやり取りしていたわりに、お互い一番頼りたかった時期はウンともスンとも言わずに過ごした。その空白を埋めようと躍起になるでもなく、私たちは、ふたりでよく行ったシーレとダリのポスターが貼ってある喫茶店にいる気持ちで納豆を食べ、スクランブルエッグを食べた。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-10-15 21:46 | 岐阜
岐阜へ嫁入りした友達に会う。
そんな目的を果たすべく、1泊のつもりだった旅が延びに延び、
2005年9月27日~10月7日 岐阜に行ってきました。りっぱな長旅です。
行き当たりばったりついでに、愛機ライカで岐阜をいろいろ撮ってきました。
b0002385_21592798.jpg

まずムーミンファンにとって感動のショットから。
日本の「ムーミン銀行」は3つ。鹿児島銀行、北陸銀行、そして岐阜信用金庫です。岐阜県民のメインバンク・ぎふしんきん――私が10日間お世話になった友達も、ムーミンキャラの描かれているキャッシュカードを使っていました。う ら や ま し い ー ! スーパーやビルに設置されているATMは、だいたいこのロゴのみです。
b0002385_2212156.jpg



がっかりするのはまだ早い。ありましたとも、
ムーミンを前面に押し出したキャッシュコーナーが。
b0002385_2215447.jpg


b0002385_2221380.jpg



b0002385_222401.jpg


b0002385_22231357.jpg

パンフレットもムーミン谷の仲間たちが大集合!

岐阜の友達は、「絵本が好き」という共通の趣味で仲良くなりました。彼女の新居でパペット・ムーミンのDVDボックスを発見。「うちにもあるよ、これ!」 嫁入りしてしばらく連絡が途絶えていた頃、購入したらしい。お互い知らないうちに同じ物を買ってたことが、妙にうれしい。
b0002385_23434122.jpg

[PR]
# by toyorubichun | 2005-10-14 22:56 | 岐阜
b0002385_1204925.jpg
小物もギラギラ! 猫の目柄の着物は生地から染め抜いたオリジナル。


b0002385_1211646.jpg

加納さんの悪女ネコvs竜サマの可憐な少女ネコ


絶賛上演中! 流し目のスナイパー☆竜小太郎さまにズキュンズキュンと撃ち抜かれてまいりました。花組には初の客演となる、大衆演劇のスタアです。終演後には、おひねりタイムもチラリとあります。目がハートになってるおばさまたちが竜サマの胸元へそそくさと包みをしのばせ、手提げのおみやげを手渡していました。私もなんか持ってけばよかった。

これでもかってくらい歌いまくるミュージカルはサービス満点、タンゴで踊るシーンもあって、ハイカラです。もちろんお話もビジュアルもぬかりなし。花道をふんだんに使っていて、通路側の席だと着物の裾が触れあうほど近ーい!

小池竹見さんが書いた本だってことを、2幕が始まるまでふと忘れていました。早稲田どらま館とか青山円形劇場で双数姉妹を観ていた頃がなつかしい。女優の明星真由美さんが退団されてから、すっかりごぶさたでした。モヤモヤした青春群像を描いていた方が、人情時代劇を書いている――エスキースで埋め尽くされたスケッチブックを見せてもらっていた学友の個展を観るような気持ちになりました。自分よりちょびっと年上だけど、同世代。「継続は力なり」という言葉が頭をよぎる夜でした。

余談ですが、スペース・ゼロの右手を直進するとプーク劇場があるんですね。開場前にお茶を飲もうと思ってウロウロしてたら気が付きました。人形劇も見てみたいなあ、でもプークの入り口、なんか人形劇っぽくない人がたくさんいるなあと思ったら、WAHAHA本舗のライブをやってました。WAHAHA未見。うぬ、知らない世界はかくも多い。


花組芝居『ゴクネコ 極猫大騒動』
6月9日~21日 新宿 全労済ホール/スペース・ゼロ(新宿南口徒歩8分)
[作]小池竹見
[演・出]加納幸和
[出]竜小太郎、花組芝居役者連
[料金]前売/一般5,800円、学割4,800円 当日/一般6,000円、学割5,000円(学割は平日のみ)[問]劇団℡03-3709-9439
[PR]
# by toyorubichun | 2005-06-11 12:29 | 舞台
※この記事は観劇レポートではありません。

サモ・アリナンズ
シアターガイドの記事と公式サイトで弔報を知りました。
2005年4月10日に、倉森勝利さんが亡くなったそうです。享年38歳。倉森さんは、小松和重さんと2本柱でやってきた演劇ユニット、サモ・アリナンズの作・演出をしていた方です。

サモアリがプロデュース公演を始めたのは1992年。役者さんの素がちらほら見える絶妙の間とゆるゆるコントで、不動の人気を得てきたユニットです。とはいえ31本ある過去公演中、私が観たのはたったの3本。

2000年『シャイアン』下北沢本多劇場
2001年『スネーク・ザ・バンデット』下北沢本多劇場
2004年『ワンダフル』下北沢ザ・スズナリ

毎回足を運ぶファンならいざ知らず、ちょっと気になっていただけの分際でこんなこと書いているのは図々しいと思います。でも心にグサッと来たのです。いつ行っても笑って帰れるサモ・アリナンズ。そんな信頼を置いているのは私の勝手に過ぎないけれど、事実です。

いろんな劇団及びユニットの成長・存亡について耳にするたび、サモアリが頭をよぎっていました。それはサモアリが魅力的なユニットだと思うからです。私がサモアリに心惹かれる一番のポイントは、「俺たち小劇場で好きなことして幸せだもんね」というスタイルを貫くところ。内輪ウケとかお約束のグダグダ笑いとか、批判されるのを先刻承知でやりきっちゃうのは、なんとも潔いではありませんか。しかもバッチリおもしろい。サモアリのゆるゆるは、荒削りでテキトーなその場凌ぎではありません。仲良し同士のおふざけみたいに見せかけて、お客さんにもいっしょに遊んでる感覚を共有させます。サービス精神たっぷりの笑いには、「笑ってくれてありがとね」という素直な感謝がこもっています。自嘲や迷いの一切ない、すがすがしいバカバカしさ。観劇後に気持ちがすーっとするワケは、きっとそのへんにあると思います。

倉森さんの書く本は、100%倉森さん自身がおいしい役どころを担っていました。コワモテといっていいルックスなのに、かわいらしい所作で突如乱入し、ストーリーの本筋さえもおいてけぼり。アンタなんてズルいんだ! とツッコまずにはいられない、そんなキャラを自作自演する人でした。サモアリファンの知人にそんな感想を持ちかけたら、激しく同意されたので、あながち間違ってないのでしょう。

変幻自在の小松和重さん、迫力ボディを生かす女優平田敦子さん、ひと昔前のハンサムみたいな久ヶ沢徹さん。イイ歳をした芸達者な人々を、あえてワンパターンな大味に見せる舞台は、どうにもこうにも憎めません。だってあんまり楽しそうで、大人が無邪気に遊んでるって感じだもの。

HPの掲示板にぞくぞくと書き込みがされています。ブサイクメイクを塗りたくり、「やあやあ、真っ赤なウソでした」と倉森さんが現れそうだと思う人は、やっぱりたくさんいらっしゃいます。緻密にキュートな倉森さん。謹んでご冥福をお祈りします。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-05-06 20:22 | 舞台
『Shuffle―シャッフル―』
2005/4/16(土)-5/8(日) 渋谷 PARCO劇場
作・演出 後藤ひろひと

【出演】
<刑事>
乾利貴(シャッフル)=伊原剛志。
 切れ者なのに女ったらし、罪作りな刑事。
梶野=三上市朗
 シャッフルの同僚。6年追っていた宝石盗賊団チップスを取り逃がして失脚したうえ、BJに絞殺される。
剣=平田敦子
 シャッフルと梶野の上司。規律に厳しいキャリアウーマンだが、陰で「肉まん」と呼ばれている。
三つ葉幸子=奥菜恵
 黒縁メガネでボサボサ頭、福岡弁でしゃべる乱暴なブス子。警備員だったが、レディ・マーキュリーを盗まれクビになり、シャッフルの助手となる。
 

<宝石盗賊団チップス>
ハート=風花舞
 チップスの女ボス。シャッフルを一目惚れさせるほどの美貌を持つ。
BJ=松谷賢示
 三つ葉の勤めていた管理事務所に潜伏して、レディ・マーキュリーを盗む機会を窺っていた。チームでは戦闘をまかされる。メンバーに忠実で、イノセンスな男。
ラミー=山内圭哉
 頭脳明晰でメカ担当。見た目はスキンヘッドのパンク野郎だが、虚弱体質。

----------------------------------------------------------------
ジョーカー=後藤ひろひと
 ハートの色仕掛けにハマり投獄されていた男。出所後、チップスに復讐を企む。

ダイヤモンド=澤田育子
 元シャッフルの恋人。整形手術をしてまで捜査に協力した女。ショットガンでシャッフルを撃ち殺すチャンスを待つ。
石野真子=石野真子
 シャッフル憧れのアイドル歌手。
賽野目=鹿内孝
 医師。シャッフルは事故の後に会ったので、彼だけが本人に見える。患者が重症でも動じない、というかあまり気にしてくれない飄々としたおっさん。


※ご注意 公演内容の詳細に触れています。

【ストーリー】
主人公は乾利貴は、やり手の刑事。天性の勘で事件を解決する優れたデカである。ところが手癖の悪さも超一流で、通称の“シャッフル”とは、トランプのカードを引いては捨てるように、次々に美女を落とすプレイボーイぶりを皮肉ったニックネームなのである。

シャッフルに、同僚・梶野が追っていた宝石盗賊団チップスの事件担当が回された。梶野が張っていた現場で、時価数十億円のダイヤモンド、レディ・マーキュリーがまんまと盗まれたためだ。梶野が6年越しで捜査しても解決できなかったヤマだが、シャッフルはたった一夜にして、宝石盗賊団チップスのアジトを突き止める。と、ここまではいつもどおりの手際よさ。しかし! 逮捕まであと一歩というところで、シャッフルは盗賊団の美人ボス・ハートを口説こうとして、15メートルの高さから落下……哀れシャッフル。4日間の昏睡状態から目覚めると、恐ろしい後遺症が残っていた。

なんとシャッフルは、記憶している人の顔と名前が一致しなくなってしまったのだ! シャッフルの目には、事故の前に会ったことのある人たちは、みんな記憶がこんがらがって、誰が誰だか区別できない。人、とりわけ女を顔の善し悪しでしか判断しないシャッフルにとっては致命的。当然、目撃したはずの盗賊団の顔すら判別できない。

絶望的と思われたものの、事項当日、盗賊団のアジトに居合わせた三つ葉が助手になって、みごと事件は解決する。


【アイドル石野真子、おそるべし】
シャッフルは職場のロッカーにポスター貼ってるくらい、熱烈な石野真子ファン。脳がおかしくなってから、石野真子を愛するあまり、本物に会ったことはなくても、周囲のいろんな人が石野真子に見えちゃうってわけです。石野真子さんご本人が石野真子役で出てるんですが、もうすんごいカワイイ! 淡いブルーのひらっひらドレスがあんなに似合う人、いるのねえ。声やしぐさの愛らしさ、スタイルの良さは、奥菜恵ちゃんにだってひけを取りません。もちろん石野真子の姿をしていても、中身はいろんな役だから、かなーりキテレツなことになってる。あるときは町の情報屋、あるときはブスなはずの三つ葉……そのときの演技もバッチリ☆ 妹いしのようこさんも、容姿端麗かつ突出したコメディエンヌですよね。姉妹そろってなんでもできるけど、けして品を失わないっていう魅力の持ち主だと知りました。ピンク・レディーが47歳にして再結成し、コンサートツアーをしてるっていうドキュメンタリー番組を思い出しました。昔のアイドルはすごかった、じゃなくて、現役で全然イケるって素晴らしい。

【アメコミ風、ビビッドなカラーを用いた舞台セット】
3つの回転舞台が、シーン変わるごとにクルクル回って、病院の廊下、個室、屋外、宝石盗賊団のアジトなどになってました。回転舞台の側面はすべて、アメコミ風の漫画(ローマ字の台詞入り)を配したボードで覆われています。その絵をよく見ると、ビキニの女の子とかがわりとスレンダー。本場アメコミの筋肉ムキムキボディより、個人的に好ましくて◎。ただ、顔のアップはもっとバタ臭いほうが、よりリキテンスタインぽくて良かったかな。

カーテンコールで作・演出の後藤ひろひと氏が「パルコ劇場で、あえて駅前劇場みたいな芝居をしてみました」と言ってました。たしかに、小ネタ満載のコメディという点で小劇場チックな味わいあり。それに加えて、奥行きを抑えた舞台の構造も、そんなふうに見せる要因になっていた気がします。かなりの奥行きを取る回転舞台ゆえ、芝居をするスペースが前へ追いやられ、せせこましい印象がありました。けして悪い意味じゃなく。ちまちまっとした動きにも目がいきやすいんです。


【『Shuffle』の世界をもっとくわしく! 裏設定いろいろ】
パンフレットには、登場人物の設定がみっちり書き込まれています。登場人物の数が多いせいもあるけれど……舞台1本の中では、ひとりひとりの大まかな個性しか把握できない、というのが正直なところ。むしろこの詳細データは、裏設定として楽しむ感じかもしれません。舞台を観た後にパンフレットを読んで、「ああ、こういう過去があるから、あんなこと言ってたんだ」と納得する、みたいな。また、舞台上でのストーリーは観たとおりに完結しているけれど、各キャラクターの背景を知ることによって、それぞれに感情移入してアナザー・エピソードがいくつも作れちゃったりもする。それはちょっと、映画『スター・ウォーズ』なんかのコアな楽しみ方と似ています。(←1シーンに数秒間だけ登場するキャラクターがフィギュア化されて、人気商品になってたりするんです)

【三つ葉 VS BJの格闘シーンに釘付け!】
私個人のことで恐縮ですが――ケンカするシーンて、時代劇とか本格的なチャンバラでもないと、集中して観られなかったりするんです。K1とかPRIDEとかほんとに戦ってる格闘技が好きなもんで、「殴るフリ」「痛がるフリ」の演技をあまり見たくない。かといって、本職の格闘家じゃない人が実際にケンカしてるのは、もっとタルい。

それがですよ。ちびっ子ふたりの戦ってる姿がよかったんですよ~! 三つ葉は幼少のみぎりから父親にケンカを仕込まれ、女だてらに強いってキャラ。BJはオツム弱めだけど宝石盗賊団の武闘派で、スピードと怪力を誇るキャラ。ふたりが手合わせする前から、その特徴はたびたび見受けられたんだけど、この場面で一気に魅力がスパークします。はじめの一撃にそなえる構えが、まずりりしい。そして動き始めてからは、ドッタンバッタンするんじゃなくて、蹴りもパンチもひとつひとつが美しい。流れるようなリズムがありつつ、筋肉の伸縮を感じさせるきっちりしたポーズができている。すてきだ。

いったい誰がこの動きを作っているのか!? 殺陣指導のクレジットには、田尻茂一さんほか[アクションクラブ]という方々のお名前がありました。劇団☆新感線の殺陣を担当されている方だそうです。動きの面白さにプラス、キャラクターの持ち味も前面に出すアクションをされるのだとか。そうそう、まさに三つ葉VSBJのケンカはそうでした。ネットで検索してみたら、ん? 田尻さん、新感線には役者としても出ていたの? SHINKANSEN☆RX『SHIROH』(2004年12月/帝国劇場 中川晃教、上川隆也主演)、SHINKANSEN☆NEXUS『荒神 ~Arajinn~』(2005年3月/青山劇場 V6森田剛主演)の“殺陣指導”でも、田尻さんのお名前を見つけました。この大舞台を2本とも見逃していたのは失敗だなあと思っていたけど、ああん殺陣が観たかった~っ! っていう後悔の仕方をするとは、予想外です。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-04-22 07:58 | 舞台
b0002385_1475663.jpg2005年1月23日 世田谷パブリックシアター
『宮本亜門帰国記念トーク・イヴェント』
~ブロードウェイでのミュージカルの作り方!~
宮本亜門(演出家)
松井るみ(舞台美術家)
小嶋麻倫子(ドラマトゥルグ)

亜門「すっごい静かなんで、出るとき緊張しました(笑)。ここはブロードウェイじゃないんだなって」

 宮本亜門の第一声で、静まりかえった会場が一気に和んだ。なんとも肩の力の抜けた、さわやかな亜門さん。あらためて言わなくたって、いつもこんな調子なんじゃない? ってイメージは、まあ正しいのですが、一山越えてきた演出家の顔だなぁ、というかんじがものすごくしました。なぜって? フフフ……今回のイベントをレポートする前に、NY公演に着手する直前に行われた記者会見について触れておきましょう。

2004年7月21日 国際交流基金国際会議場にて

 登場したのは、宮本亜門をはじめ、トッド・ヘイムズ、マイケルウォーク、吉井久美子らプロデューサー陣、衣裳のコシノジュンコ、そして舞台美術家の松井るみ。苦楽を共にしてきた制作チームが、雁首そろえてNY公演への意気込みを語った。しかし、日米交流150周年事業という一大プロジェクトのスタートは、実に地道なものであった。ミュージカル『ビッグリバー』のナショナルツアーも手がけた敏腕プロデューサー吉井久美子と二人三脚で歩んできたことを、ざっくばらんに話す様子は宮本亜門らしかった。

 資金繰りのため、まず吉井久美子さんが起こしたアクションは、国際交流基金の協力を得ることだった。「とはいえ手順がよく分からなかったので」、いきなり国際交流基金の本部に出向き、フロアでパンフレットをめくっていたら、用件は何かと職員に声をかけられた。事情を説明すると、あっさり奥へ通された。そのチャンスに乗じて、さっと企画書を差し出し、説得にかかったという。

 ゾクゾクするような期待と、身の引き締まる思いが共存する彼らの表情からは、「賽は投げられた」「まな板の上の鯉」とでもいうような闘志が沸き立っており、見守る側は気圧されして、日本へ無事帰ってきてくださいね、なんていうマヌケな声援を心の中で送るばかりだった。このときの松井るみさんは、黒いドレスを着て、借りてきた猫のようにおとなしかった。会場内に美術セットの模型が展示されていたが、その大胆なセンスとイメージが結び付かないほどに楚々としていた。

 『太平洋序曲』は、宮本亜門が演出家としてアジア人初のブロードウェイ進出! という快挙。NYのStudio 54劇場にて、プレビュー公演2004年11月12日~12月1日を経て、2004年12月2日~2005年1月31日まで、つまり現在(2005年1月23日)も上演中である。



 さて、今回のトークです。夏の記者会見とは打って変わってリラックスしていたのは、冒頭のとおり。亜門さんと松井さんのハイテンションな掛け合いから、お二人が気の置けない、アイディアをどんどん出し合える関係であることが見てとれました。その姿は、まさに戦友。

亜門「演劇関係者の方いらっしゃいますか?……いない。舞台に係わってる方……あ、驚きました、ほとんどいらっしゃらないんですね。オフブロードウェイの扉を開いたんですがね(笑)」

世田谷パブリックシアターを満席にした7割が、熟年女性。もちろん、同会場で上演される2005年2月27日~3月13日『ファンタスティックス』を心待ちにする客層とマッチしているのだろうけれど、宮本亜門がブロードウェイの土産話を聴かせたい相手は、この層だけではなかったはず。華々しさとはかけ離れたカルチャー・ショックについて、2002年9月に行われたリンカーンセンターでの上演のエピソードから始まりました。


【スタッフの役割分担がパッキリ分かれてる】

亜門「リンカーンセンターでは、スタッフは走っちゃいけないんだよね。僕も松井さんもふだん走るもんだから、『走るな! 走るのはよっぽどのときだ!』って怒られましたね」
松井「つい走っちゃうんだよね」
亜門「走りたくなるのは、スタッフみんながアメリカ人てのもあった。道具運んでる人が、もろアメリカ人。こんっな大っきい人が運んでくるわけ」
松井「そう。本来なら足とか絶対見せずに、マジックのように前から後ろへ移動して、っていうのが宮本演出なんだけど、残念ながら巨大なスニーカーが見えちゃって」
亜門「静かに、水平に持って移動して、って言いたいけど、口出しちゃいけない。左右にこんっな揺れまくって運んでるのに、指示しちゃいけないんです。俳優じゃないから、演技的なことを一切指示しちゃダメだって。アメリカってのは、紙一枚の小道具だって、小道具係でなければ触っちゃいけないっていう」
松井「もう~、目の前にあるモノをちょっと動かしたいだけなのに、プランナー→ステージマネージャー→……小道具係、っていちいち指示が通らないと、動かしてもらえないのね」
亜門「ピンマイクなんて、本番中に役者本人が直せないんだから。ピンマイクは、役者でもなく、衣裳さんでもなく、音響さんにしか直す権利がない。そんなの知らなかったから、最初は大変だったよね」
小嶋「そういうシステム、非難ごうごうなんですけどね。スタッフには徹底的に権利が保障されていて、何時からは時給が2倍、夜12時を超えたらあたたかい食事を出さなければいけない、とか山のようにきまりがあるんです」

 ちなみに、小嶋麻倫子さんは『太平洋序曲』のドラマトゥルグ(ドラマターグ)を担当された方。ブロードウェイで、新作のミュージカルを作るにあたって、脚本家に客観的なアドバイスをするポジションの人を、こう呼びます。『太平洋序曲』は再演だったので、現地スタッフとのコミュニケーションを助けるのがおもだったそうです。カーリーヘアがキュートな、やわらかい外見とは裏腹に、スパッと鋭いコメントを繰り出すNYerです。

亜門「例えば、プロップス(小道具)なのか、衣裳なのか、どっちなんだかよく分からないような小物が足りないとする。日本だと、気がついた人が用意してくれたりしてお互いカバーしあうけど、アメリカはそうじゃない。指示がなければ手を出さない。日本人の、言われる前に分かろうとする民族性って重要なんだなぁって思い知りました。アメリカでは、口に出さない主張・必要性っていうのは存在しないんです」
小嶋「分担がクリアなんですよね。だから、はっきりさせておかないかぎり、グレーが抜け落ちる。“誰かがやる”は、“誰もやらない”んです。以心伝心? ないない、ないない。」


※余談ですが、ちょっと思い出したので。
 中村勘九郎率いる平成中村座のNY公演で、空調が故障しているのを直してくれと言ったのに、「分かった分かった」と言うだけで、迅速な対応をしてもらえなかった、というエピソードがある。中村勘九郎は憤然として書いている。「芝居というものは、皆で作り上げるものなのだから、自分たちも参加しているという意識をもっと強く持ってほしい」(集英社『勘九郎日記「か」の字』より)――ひょっとして、“空調を直す係”にじかに言っていなかったことが原因なのか!? 日本では言われる前に動くのが美徳だけれど、アメリカでは完璧な指示を出すのが美徳、っていうことなんでしょうか。


【スケジュール決定が遅い】

亜門「日本では、劇場のスケジュールは2~3年先に決まっているものだけど、ブロードウェイは1年先も決まるか決まらないかがふつう。それも知らなかったから、打ち合わせが何もできなくて、毎日イライラしてたね。『太平洋序曲』の日本初演(2002年 新国立劇場・宮本亜門演出)で衣裳を担当してもらったワダエミさんには今回もぜひと思っていたけど、なにせデザインにも取りかかれない。けっきょく「染めから一からできないなら降りる」と言われてしまって。100以上のコスチュームを2ヶ月でゼロから作る、1週間で全部デザインしてくれ、っていうお願いを受け入れてくれたのが、コシノジュンコさんただ一人だったんです。2ヶ月前ったって、アメリカ人的には『まだ2ヶ月あるじゃない。衣裳が間に合わない? 亜門が2日くらいこっちに来て指示してくれればできるわヨ』なんてことを言うわけです(笑)。ちがうだろ、絶対ちがうだろ!ってびっくりしました」


【アメリカ人はどこまでも大味】

スライド上映をしながら、スタッフワークや道具について説明。カツラが映し出されたときに、アメリカ人と日本人のちがいについての話題が再燃しました。アメリカ人キャスト、スタッフとのやり取りについてです。

宮本「よく取れるカツラだったねー。カツラが悪いんじゃないんですよ? アメリカ人、野球帽かぶるようにカポッとかぶって舞台に出てくんです。」
松井「見得きるところでパーンて飛んでましたねぇ。で、サッカーボールのようにポーンと蹴ってましたねぇ。困りました」
宮本「おんなじこと演出で言っても、アメリカ人は感覚がちがう。小道具の置き方ひとつにしても、日本とはまったくちがうんですね。だから『まずモノを大切にね』って諭すことから始める。『ほらっ、ほらっ、ここには魂が入っています!』とか言って(笑)」

松井「道具はね、なんせすべてが重い。日本と同じ図面で発注して作ってもらっても、素材もちがうから」
亜門「ちょっとしたモノでも、家が建つような木を使う」
松井「壊れそうな竹垣をイメージしてるのに、立派な、どうやっても倒れないような竹垣が出てきたりね」
亜門「木枠をガンガン手で動かすシーンがあったんだけど、その道具ができあがって見てみたら、どうがんばっても人の力じゃ動かせないようなのが出てきた。公演ビデオ見せて、演出も知ってて、どう使うのか知ってるのに、平気でそんなのが出てくる。それが8枚ぐらいできてんですよ(笑)。稽古場に来るモノ来るモノ、全部重い。『ちがう!こんなんじゃない!ノー!!!』って演出家が言って初めて『あー、ノーなんだ』っていう。アメリカに先読みはないんです」
松井「日本帰ってからアメリカの図面見たら、ものすごい書き込みが多いんですよね。ここはこう、ここはこうって……」
亜門「それアメリカで気づけよ!」
松井「でも直すには直すでお金かかるでしょ」
亜門「うん、『これやって』『5万』、『こうすると?』『10万』て、即答される。日本だとあんまり明確に言われることじゃないから、えええ~ってなっちゃって(笑)」
松井「当時は笑えなかったですけどね(笑)」


【作り手と観客の双方が成熟しているミュージカル文化】

※ここからは、トークイベント後の宮本亜門の囲み取材をまじえます。

スティーブン・ソンドハイム(『太平洋序曲』の作曲・作詞を手がけた巨匠)は、プレビュー公演に毎日足を運んでは、宮本亜門に脚本の修正を申し出たそうです。

亜門「修正というか、ほとんどがカットです。つまらないから無くすっていうんじゃなくて、なるべくシンプルに、想像させたがる。よけいな説明ゼリフどんどん省いていって、初めて観たら分かりにくいショウでもあるんです。『絶対分からないよ』って僕も言ったんだけど、次々シーンの変わる、分かりにくい、美しい舞台になっていった」

亜門「NYタイムズに、僕の記事が載ったんです。日本でもこんなふうにミュージカルをやっている人間がいるんだ、ってめずらしがられた記事が、どういうわけか“大絶賛”とまちがわれて、批評がどんどん書かれた。甘い批評はありません、でも酷評も賞賛もなかった。今アメリカという国が世界で一番大きな国なだけに、みなさんいろいろ考えることが多いんですね。いろんな反応があった、ということは、いろんな影響があったんだと思います。今まだ上演中で、毎日向こうからレポートが送られてくるんです。今日の開演時間に何があったとか、そういう細かなことまで。

ブロードウェイは、今までどこか憧れの目で見ていたんですね。日本でブロードウェイミュージカルやっていたけど、中に入ってみちゃったら、いい点もウ~ン?って疑問点もたくさん見えて、でもひっくるめて全部好き。つまり自分の場所が変わったということだと思う。客観的に彼らを、あこがれじゃない目で見ることができた。だからこそ、ますます作っていきたい。彼らをうならせる仕事がしたい。(今回のトークイベントは、気持ちを整理するうえでやりたいと言ったけれど、)整理したいというか、言いたかったんですよ。オン・ブロードウェイ=華やか!楽しい!夢が叶ってよかったね!って方程式で片づけられないくらい、いろんなことが中にあったし、それがいい経験になったから。ブロードウェイで仕事するってことは、こういうことを知っていくってことんなんだ、って、僕の次の世代の人たちに教えたかった。『ああ、そういえば宮本ってヤツがブロードウェイやってたね』なんてこともあるくらい、どんどん日本人にもやってほしいんですよ。ブロードウェイを初めて開けた人間として。

ブロードウェイで驚いたのは、観客層が高いこと。いろんな方たちが劇場に足を運んでくれる。男女比率がとてもいいんですね。日本の場合は女性が多いんで。だいたい、『太平洋序曲』ですよ、1964年の実験作、日本ではどんなに有名な人がやってたって見てもらえないような作品が、キャパ1,000人で動員数が8割平均で入ってるんです。日本では(2002年上演当時)キャパ200ですからね、ちがいますよね。ソンドハイムの作品ということもあるんでしょうけれど、舞台に対する熱意がすごいんです。劇場主が握手を求めてきてくれたり、亜門!亜門!って言ってくれる。天国ですね。自分はまだまだ勉強不足なので、もっとがんばりたい。こんなに演劇がすごいんだと、前みたいにがむしゃらじゃなく、もっと計画を立ててやれたらなって思います」


囲み取材での宮本亜門。『ファンタスティックス』のポスターを前に、ダンスのデモンストレーションをしているわけじゃございません。私がデジカメ慣れしてなくて手ブレしてるわけでもありません。表情豊かで、よく動く。こんな人だもの、いきいきしたミュージカルを絶対これからもバンバン作ってくれますよね!

b0002385_231029.jpgb0002385_264670.jpg







b0002385_27379.jpg
b0002385_2638.jpg

【これからはじまる宮本亜門】

亜門版『ファンタスティックス』
脚本・作詞:トム・ジョーンズ 
作曲:ハーヴェイ・シュミット 
演出:宮本亜門
出演:井上芳雄、大和田美帆、斉藤暁、沢木順、なすび、水野栄治、二瓶鮫一、山路和弘

ブロードウェイで42年間のロングランを記録したミュージカル。これまでほぼ変わらずに上演されてきた脚本を、今回の上演にあたって、「亜門、実はこのセリフを変えてほしい。ずーっと気になっていたんだ!」とトム・ジョーンズ自身が申し出て改めた箇所もあるという、作り手にも愛されつづける作品です。シンプルなセットで、観客が想像をふくらませながら楽しむこの舞台、主演はミュージカル界のプリンス、井上芳雄クン! お近くの劇場へ、のびやかな歌声とメロディに心を遊ばせに行きませんか?

2005年
2月18日(金)-20日(日)能登演劇堂
2月23日(水)-24日(木)北九州芸術劇場
2月27日(日)-3月13日(日)世田谷パブリックシアター
3月17日(木)高知市文化プラザかるぽーと
3月20日(日)山口情報芸術センター
3月23日(水)-24日(木)新潟市民芸術文化会館
4月2日(土)-3日(日)愛知厚生年金会館
4月5日(火)-6日(水)シアター・ドラマシティ 
[PR]
# by toyorubichun | 2005-01-24 02:22 | 舞台
ぴあ2005年1月13日号(表紙:青木さやか)「ぴあ満足度ランキング CDシングル」でthe band apart『RECOGNIZE ep』が1位を獲得しました! 感想の5段階評価は「メロディ=3」「歌詞=2.5」「アレンジ=3」「ボーカル3」「演奏3」と、抜きんでてどこがイイっていうのはなかったみたい。歌詞、全部英語だしね。

読者モニター100人の平均点は82.1点、2位バンド・エイド20(82点)、3位Kinki Kids(80.7点)と僅差ではありますが、やっぱり1位ってファンとしてはうれしい。売り上げランキングじゃなくて、聴いてみてよかった、っていう評価なのがよけいうれしい。シングルにしては地味、the band apartを聴き込んでないと喜ばれないかんじの曲のように感じていたので、とても意外でした。

掲載されている野外ライブの写真は、木暮がスティックを大きく振り上げている瞬間のもの。荒井のでかーい背中、川崎の顔は照明で上半分とんでる、原は遠くてクマさんみたいな巨体がわかりにくい……ってなアングルなんですが、野外ライブに行ったことがないので、どんなテンションで演奏してるのかなって想像するのが楽しいです。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-01-13 23:41 | the band apart
2004年1月5日 クラブチッタ川崎
『AO vol.5』
he
WRONG SCALE
O-front
the band apart(出演順)


27歳にもなったらしょうがないのかもしれないけれど、オールスタンディング2時間以上はつらい。ライブに行ってもthe band apart以外のバンドは見ないでお茶飲んでることが多かったんですが、今回は全部観ました!

he
去年渋谷AXのオープニングアクトで気に入って、無料配布CDもらいました。放映中のテレビアニメ『BECK』の挿入歌にたびたび使われています。2人ボーカルだったのね、声似てて気がつきませんでした。the band apart同様、1曲のうちにテンポがころころ変わってかっこいいです。


WRONG SCALE
ドラムが上半身裸! 若さは宝、それだけで好感度30%アップだわ。いい筋肉してて、カーキ色の腰ばきパンツがすごく似合ってました。ギターとベースの3人が3人とも歌います。向かって左からアンニュイ、渋め、やや渋めという声のバリエーション。正統派ポップスのようなロック、日本語で歌ってました。なぜか3人ともドラムに向かってヘッドバッキングするので、歌ってる時以外はだいたい背中でした。演奏と歌はまじめそうでさわやかなんですが、MCになると途端にワルぶってロケンローラーをアピール? ライブ告知の会場名をド忘れして「名前なんだっけ」と逆ギレする様子がなんか憎めません。

O-front
ドラムの椅子が高いのでしょうか、表情がよく見えました。いい顔で叩いてるんですよ、うれしくってしょうがない! みたいな顔で、こっちまでニッコリしちゃいます。ボーカルはずいぶん音域が高いです。とにかく元気でさわやかな歌で、この人たちも詞は日本語。たどたどしいMCがまたかわいくって、「今日はどうもありがとう……また笑って……話そう。さよなら!」と言った後に3曲歌ってました。『さよなら』ってタイトルの曲だったのね。うーん、カフェでバイトしてる雰囲気美人の彼女がいそう(イメージ)。


the band apart
いよいよ真打ち登場! 今回のイベントは会場が広いわりにお客がまばらで、当日券販売も出てたんですね。前の3組も、演奏がよかったしお客さんも盛り上がってないではなかったんだけど、どうもスカスカだと歓声が上げにくいというか、かぶりつきのスペースより後ろのほうは熱気に欠ける感じが続いていました。せっかくだから前へ行ってみたら、今までで一番よく見えました! ステージが高いのと、the band apartのメンバーが長身なおかげでものすごく近くにいる感じでした。



01.FUEL
02.cerastone song
03.RECOGNIZE ep(新譜)
04.〃
05.August Green
06.Eric.W
07.fool proof
08.K.AND HIS BIKE
09.reminisce
10.When you wish upon a star

1曲目、原のスタートダッシュが凄かった! なんだかよく分からないけど低姿勢でマイクの前を行ったり来たり。荒井も空を殴るようにグーを突き出してましたが、荒井がやるとシャドーボクシングみたいに鋭いです。続く新曲はもちろん2曲がきれいにつながってました。この時、連れが「荒井がギターの弦に洗濯ばさみを挟んでてた」って言うんですが、そういうギターの弾き方ってあるんですかね?

「みなさん最後まで残っていただいて、ありがとうございます」
ピシッと姿勢を正しておじぎ。
「バンドアパートはレコーディングに入りますんで、しばらくライブはありません。だから今日は脱腸するくらいがんばります

新しめの曲におなじみの曲がサンドイッチされた形の順番で、ここ何年かほんとに自分はthe band apartばっかり聴いてるなあと思いました。「おなじみの」といってもthe band apartが好きな人たちには全部がおなじみですね、なんたって数が少ないから。ライブはめったに行けないけど、CDでも何回聴いても飽きないんだなあ。で、やっぱりライブは格別にイイ!

ボーカル荒井・ベース原が“動”ならギター川崎・ドラム木暮は“静”。木暮はとにかく表情が変わりません。頭もほとんど動きません。お地蔵さんのようです。でも、8曲目『K.AND HIS BIKE』ではこのふたりになんだかとても目が行きました。♪Go a ride……と歌い出す前、ギターだけが鳴るところで木暮が音を出さないスティックを両手ともスナップきかせてリズム取ってる姿が、なんとも実直そうでかわいかった。

川崎は“静”どころかものすごく激しく頭振って動き回るんだけど、長ーい前髪に隠れて顔が見えません。今回ほど近づいても、どんな顔してるのかよく分かりませんでした。のけぞって前髪が上がった時も目つぶってるしね。そのせいか、荒井・原よりおとなしく感じます。そんな川崎が、曲が終わる頃にヨタヨタッと前進してきて……落下!!ギター持ったまんま客席にダイブ? と一瞬思ったけど、まずそんなことしそうなタイプじゃないし、ほんとに落っこっちゃったの?? 駆け寄るスタッフ、とくに気にする様子もなく最後まで演奏しきるほかのメンバー。ライブはいったん、ここで区切りがつきました。アンコールに応えて、荒井が汗をふきふき再登場。

「ギターが折れたかと思いました」
――えっ、それだけですか。川崎もふつうに出てきました、無事でなにより。とつとつと荒井が話している時に、客席から「原さーん」という歓声が。そういえば今回原は一言もしゃべっていない。おもしろいのにぃ。
「まるっきり俺の話は無視と。話つまんないので、曲やっていいすか」

わーい!
「友達になつかしいからやってくれって言われたんで、やります」
と始まったのが『reminisce』。で、やっぱり最後はミラーボールが回るあの曲☆『星に願いを』はいつも、楽しいライブだったなあっていう充実感といっしょに、名残惜しさが募ります。次にお目見えする時は、新曲づくしのレコ発ツアーでしょうか? それまで首を長ーくしてお待ち申し上げます。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-01-07 01:05 | the band apart
b0002385_12564119.jpg『なにわバタフライ』

2004年12月18日(土)~2005年1月26日(水) PARCO劇場
作・演出 三谷幸喜
出演 戸田恵子
生演奏 小竹満里、山下由紀子

[大阪] 2005年2月2日(水)~13日(日) シアター・ドラマシティ

※内容の詳細に触れています。ご了承ください。


笑って泣ける、笑いながら泣ける、泣いてるのに笑える。

こらこら、2パターンしかリアクションできないのか!?ってお叱りを受けそうですが、あまり複雑な反射神経が働かなかったんです。三谷幸喜入魂の一人芝居。戸田恵子が体ひとつで挑む一人芝居。すてきな生演奏(パーカッションの女性2名)が響く一人芝居。

「私の人生?私の人生なァー!」

戸田恵子のハリのある第一声から、舞台は始まる。ミヤコ蝶々の半生を下敷きにしているものの、劇中に蝶々さんの名前は出てこない。波瀾万丈で男運がなくて、養ってきた男たちをもネタにして笑い飛ばすナニワの女芸人である。

はじめから終わりまで、ある女優が楽屋でインタビューを受けているという設定だ。楽屋にあるものを衣装や小道具にしていくが、その間もしゃべりどおし。イッセー尾形のように無言で着替えるのとも、モロ師岡のように客席に向かって雑談しながらつないでいくのとも違うスタイルで、一度パーカッション演奏で小休止があるほかは出突っ張りだった。

幼少のみぎり、父に檄を飛ばされながら稽古に励むシーンでは、着物を着た戸田恵子が膝を地べたのわらじにチョンとのせ、4頭身の子どもに早変わり。温泉宿の浴衣は帯がわりに養生テープをラフに留め、お忍びで劇場主の若旦那と密会する時はレースのテーブルクロスを羽織っておめかし。衣装ラックを暖簾に見立てるなどアイディア満載、パントマイムとは違った印象だった。

父、初恋の人、師匠でのちに最初の夫、二番目の夫で離婚したのちも漫才の相方、この4人がおもな登場人物である。座布団や椅子にスポットライトを当てることによって、あたかもそこにいるように見せるのだが、姿がなくてもキャラが立っている。登場から退場まで出捌けがきっちりしてるところが、なんとも折り目正しい。とくにお父さんは、さしづめピーターパンになつくティンカーベルで……と、これは観てのお楽しみとしか言いようがない。喧嘩したり、熱い愛を交わしたり、按摩してあげたり。相手のギャグがスベった時なぞは、どんなサムいことを言ったのかこちらは知るよしもないのだけれど、「あちゃー」という空気が劇場を包みこんでいく。相手がどれほどエラそうなのか、無口なのか、はたまたお調子者なのかはもう分かりすぎるくらい分かるのである。“間”がイイ、息ぴったり、そんなんひとりだけなんだから戸田恵子の力量でしかないはずなのに、「相方、いい味出してるなぁ」と、つい思ってしまうのだ。

芸に生きる一方で、男に振り回された女。彼女は二番目の夫がほかの女に走った時、ついにしなだれかかって引きとめられなかった。「できるかアホゥ」ってな言いぐさである。劇中、芸人としての晴れ姿はほとんど描かれない。みっちり描かれるのは、救いがたい展開を見せるプライベートのほうだ。しかし、彼女のキップの良さやダメ男に向かって啖呵を切る姿には、築きあげてきたステイタス、仕事にかける情熱といったバックボーンがすべて剥き出しになっている。自分を「本番前にちゃんと練習しておかなければ言葉が出てこない芸人」と割り切って、何もかも用意して相手に向かっていく。そんなけなげな努力が唯一の女らしさだなんて……と同情するのも申し訳ないような、自己完結ぶりだ。

二番目の夫の新しい奥さんに、一度だけ会わせてほしいと頼んだ時も、彼女は裏切られる。新しい奥さんといっしょに、二番目の夫もくっついて来るのだ。2対1でどんな顔をしたらいいっていうんだろう。「なんで?なんでアンタがいっしょにいてますの?そんなん、私がかわいそすぎます!」――全然ひるんでないように見せることが、どれほどつらいか。ここで強い女を演じる義務が発生してしまうわけだ。正確には義務でもなんでもない、ほんとうに怒り心頭なのだから、ヒスでもなんでも起こせばいい。なのに「強い女vsダメ男&かよわい女」という構図を作って、自分だけが傷つくよう仕向けてしまう。こうなると、もう同情する余地のないひとり相撲なのだけれど、素を出させない状況を作ったのは彼女だけのせいじゃない。

話が終盤にさしかかるにつれ、インタビュアーと女優の距離が急激に縮まっていく。ここで一気に鳥肌が立った。そんなに話しちゃっていいの?そんなに信用しちゃダメだよ!と戸田恵子を抱きしめたくなるくらい、いや羽交い締めにしてでも止めたいくらい、ミルコがランデルマンに不用意に近づいていって撃沈した2004年PRIDE初戦ぐらい、彼女は無防備なのだ。それは、私がテープおこしをしている時に感じるドキドキとそっくりだった。私はほとんどの場合、テープをおこすインタビューには立ち会わない。しかし、声のみで――つまり、インタビュアーも話し手も姿が見えない状態で――ふたりの関係性がありありと分かる場合がある。親しいとか、よそよそしいとか、個人的な関わりあいのことではなくて、膝をつき合わせて話す時に醸し出される独特の雰囲気のことだ。それにただじっと聞き耳を立てている、というのがテープおこさーの立場であり、『なにわバタフライ』終盤を観ている客席の状況なのだ。インタビュアー、もう一押し!何もかも吐き出させてしまえ!って思う気持ちも、やはりそこにはある。

生瀬勝久が指導した関西弁は、はたしてどれほどイケてるんだろうか?私は茨城出身で関東圏内の言葉しか分からないもので、まったく違和感がなかったんだけれど。ネイティブ関西人の感想がひじょうに気になるところだ。ぜひぜひ関西圏の方のご意見が聞きたい。
[PR]
# by toyorubichun | 2005-01-04 12:57 | 舞台
iOJO!『タイポグラフィの異常な愛情』
2005年1月2日~10日 新宿 THATER/TOPS
b0002385_215019.jpg
脚本・演出:黒川麻衣 出演:人見英伸/佐藤需/牧野直英/上野雅史/杉山将己/峯崎伊万里/菊地春美/佐藤志織/岡ユミコ/細川洋平/村上寿子/小畑智子/市村美恵(以上 水性音楽)/佐藤治彦/今林久弥(双数姉妹)



 2004年に『ウラゴコロ』という異色作を見に行きました。佐藤治彦作/三浦大輔(ポツドール)演出で、三軒茶屋にあるマンションの一室を劇場にした、ってそれだけで興味津々な芝居です。

 『ウラゴコロ』はオンライン予約でチケットを取ったんですが(たしか電話予約もプレイガイド取扱もなかった)、その顧客アドレスへ一斉に『タイポグラフィの異常な愛情』の公演告知メールが届きました。出演する佐藤治彦氏ご自身から直々に「ぜひ観てください」って言われれば、たとえBCC送信であっても気にかかる。というわけで、ひさしぶりのトップスで2005年の観劇初めをしました。

 タイポグラフィ。書体のことですね。

 イワタ教科書体、Helvetica、新ゴシック、ナール、ゴナ、Osaka、平成明朝体、リュウミン、勘亭流、Times、POP、麗雅宋、DIGITAL、Peanut、古印体――役名はすべて書体の名前で、衣装におのおのの名前がその書体で刻まれています。役柄は書体から連想される性格の持ち主で、「イワタ教科書体」は大学の研究室助手で生真面目、「勘亭流」は和服を着て扇子をヒラヒラさせている、てなかんじの分かりやすさ。MACユーザーだったり、デザインの勉強した人だったら役に対するイメージがより豊かに広がるのでしょう。広がらない人向けに(?)、当日パンフレットには書体と用語解説が付いています。劇中で建物や会社の名前に使われる「ビットマップ」「スクリプト」などもこれを読めばフムフム、と分かります。よくよく目を通せば書体のなりたちがストーリーの伏線になっている、なんて小技もきいています。また、お話は架空の僻地グーテンベルグで起こるミステリーなのですが、この地名は15世紀に世界で初めて本格的な活字の聖書を出版したドイツ人の名前から取ったのでしょう。

Helveticaは言った。
「どうせならフェミニンな女に生まれたかった」
ナールは答えた。
「ムリだろ、明朝じゃあるまいし」
  ――チラシコピーより


しびれるようなコピーです。キューブリックの映画『博士の異常な愛情』を思い出さずにおれないタイトルだし、上野アメ横のTシャツ屋みたいなチラシのビジュアルから、もしかして軍モノ?という期待も高まります。それは私だけですね、失敬。しかし、よくも悪くもチラシどおりの芝居なのでした。

 書体にちなんだ登場人物が出てくるのだな、と匂わせるビジュアルが、ピンボケしていて書体そのもののインパクトが損なわれている。ハングル文字もあるくらいだから、韓流キャラとか出てくるのかな?と想像をかきたられるけれど……実際は、出てこない。また、当日パンフレットの末尾に「今公演で使用している書体は一部他の書体を代用しています。ご了承ください」と記してあるのが、言わなきゃ分からんだろうにというか、分かる人からのクレーム対策が万全というか。そして一番もったいないのは、強烈なコピーと物語の間に、とくに関係がみとめられない。うーん、けっこうがんばって観てたんだけど何か見落としてる?

 アイディアとセンスは200点満点。ルイヴィトンのショールームを彷彿とさせる「X」「L」など見栄えのよいアルファベットを書き割りにした、スタイリッシュな舞台美術もよくできてる。書体のロゴ入りという、イタくなりそうな衣装もきれいめに仕立ててる。しかし、どこかもっさり感がつきまとうのは……ドタバタ芝居のせいでしょうか?どうせなら演技までスノッブにインテリ風吹かせてくれてもいいような気がしてしまって。その点、役どころとしてドタバタしない佐藤治彦、今林久弥、細川洋介は世界観になじんで見えた。これぞ役得?
[PR]
# by toyorubichun | 2005-01-03 21:51 | 舞台
2004年11月25日
パルコ・プロデュース公演『なにわバタフライ』製作発表会見

三谷幸喜(作・演出)
戸田恵子(出演)
小竹満里(パーカッション演奏)

 記者会見に登場したのは3人。まずジャケットと微妙に色のちがうスラックスを履いた三谷幸喜。当代随一の喜劇作家は、ネクタイ締めててもカッチリしすぎない感じで親しみやすい。たった一人のキャスト、戸田恵子は紫色が鮮やかな着物姿。旅回り一座の女座長だった今回の芝居のモデル・ミヤコ蝶々を思わせる。そしてマリンバ奏者の小竹満里は黒いストラップドレス。音楽家はフォーマル服がとっても似合う。会場の恵比寿・ウエスティンホテル東京は、クリスマスシーズンに先駆けていっそう華やいでいた。なんとも品の良い、あたたかい雰囲気の3人にぴったりな場所だ。


三谷「本日は、ヨン様来日中にもかかわらずお越しくださいまして、誠にありがとうございます」

 そう、この日のワイドショーはどこでもヨン様フィーバーだった。

戸田「本日は、ヨン様来日中にもかかわらず……」

 二人そろって同じ挨拶でスタート。みごとに息が合っている。

三谷「『新撰組!』に2年ほどかかりきりになっていた後、ひさびさの新作です。僕のなかで演劇はバックボーンなので、やっとホームグラウンドに帰ってきたというかんじ。今までやったことのないジャンルをと思い、一人芝居にしました。公演1ヶ月前に本ができている、という画期的な舞台です」

戸田「一人芝居は三谷さんと同じく、ほんっとに生まれて初めてです。ひたすら私がしゃべっています。しゃべりっぱなしで口が、顎が疲れています。普段は人と話したくないなってくらいです(笑)。でも三谷さんにこのお話をいただかなければ、一人芝居にチャレンジすることはなかったと思います」

 意気揚々と話す三谷、ひたすら低姿勢な戸田、という様子で会見は進む。お互いを信頼している二人の、微笑ましいエピソードも出た。

三谷「僕が大学出たてで放送作家をやっているときに、戸田さんの大ファンで、シアタートップスに出てらした頃、花束を買って、打ち上げにもぐり込んで戸田さんに花を渡しました。後にも先にも女優さんに花を渡したのは戸田さんだけなんですよ。まあ残念なことに戸田さんは一切覚えてらっしゃらないんですけど。その戸田さんと一緒にお芝居ができるようになって、しかも一人芝居をやらせてもらえて、ほんとうにありがとうございます」

戸田「三谷さんにお花をいただいたこと、覚えてなくてほんっとに申し訳ないんですけれども、私のほうは私のほうで、早くからサンシャインボーイズのお芝居を観ていましたし、あまりテレビドラマというのを観ていなかったんですけれども、三谷さんのだけは観ていました。一番最初にお声かけていただいたのが、『総理と呼ばないで!』というドラマだったのが、自分ではほんとうに残念で。ずっとお芝居観ていたので、最初にお仕事するときは舞台で!っていうふうにひそかな期待を持っていたんです。いつもいつも三谷さんには場を与えていただいて、結果今の私がある。いつもいつも背中を押してもらっている。私はそんな力のある役者ではありませんけれども。(三谷さんの脚本は)本が上がったときに、やっぱり面白い。よけいプレッシャーになったんですけど。全てを出し切れたらと思っています」

三谷「今回、7歳から50代後半までを全部戸田さんが演じます。登場人物はほかにもいっぱいいて、蝶々さんのお父さん、最初の旦那さん、漫才の相方さん、二番目の旦那さん……いっぱいいるんですけど、戸田さんは語り合ってる相手があたかもいるような形で演じます。たとえば蝶々さんと、お父さんと、最初の旦那さんの3人で話すシーンは、戸田さんのリアクションだけであと二人いるように見えるという。ほんとに見えるかどうかは、自信ないんですけど、ええ、見えると思います。僕の本の出来と、あと90%は戸田さんの役者としての力量、集中力にかかっているわけで、僕が信頼している人でなければ絶対できないという芝居です」

 一人芝居は演じるほうも観るほうも、集中力がものすごく必要な演目である。テンポを維持するためにする工夫の一つは、生演奏だ。『オケピ!』のパーカッション演奏も手がけた小竹満里が、マリンバを中心にさまざまな打楽器で華をそえる。BGMや効果音のほかに、実際にはいない相手役の台詞やリアクションを、楽器の音で表現する試みも稽古を重ねるうちに生まれたという。三谷作品のリズミカルな会話劇は一人芝居でも健在のよう。

 さて、もう一つ重要なのは話し言葉。ミヤコ蝶々が伝説の上方芸人であることから、三谷は脚本を関西弁で書いている。標準語を話す三谷は、はじめは自分でそれっぽい言葉で書いて、関西弁に手直ししてもらった。これにうってつけの人材だったのが、生瀬勝久だ。戸田恵子とも親交が深く、なんと麻雀を教えてあげたこともあるとか。全然ルールの分からない戸田恵子に、とっくりと麻雀のなんたるかを教える生瀬勝久……うーん、目に浮かぶ。

三谷「たとえば、
「だけど」→「せやけど」
「だから」→「そやから」
「カップル」→「アベック」

と、そういう、よりネイティブな感じに近づけたんです。生瀬さん、稽古場にまで来てくれたりして、細かくセリフを直してくれてる。なんか完全に、標準語をそれに合った関西弁に直すんじゃなくて、感情とか表現とか意志を伝えたいんです。それって方言指導する人自身に演技力がなければできないだから今回、生瀬さんは適任だと思っています。演技とかにだんだん、なんか「このセリフいらないんじゃない?」とか方言と関係ないとこまで口出してきたりとかして。理想は、関西公演で「戸田恵子って大阪の人間だったんだ?」って思っていただけることです」

 芝居心があって、なおかつ教え子と絶妙のコミュニケーションを取り合えるネイティブ・スピーカーが指導にあたる――映画『スイング・ガールズ』で山形出身の出演者が方言指導をしていたという例が思い出される。プロの方言指導者というのが実在するんだけれども、あえてそちらにはオファーを出さなかったというわけ。言葉自体の正確さ以上にニュアンスが命、だからなぜその芝居に方言が必要なのかを理解しきった人間でなければできない。裏方の仕事が、舞台上で直接現れてくるのだ。

 「モデルであるミヤコ蝶々さんと戸田さんの共通点は?」という質問には……

戸田「蝶々さんの本(自伝)は三谷さんからすぐ読ませてもらいました。読んだら、知らないことばっかりで。もともとは東京で生まれたことも知りませんでしたし。本には、芸人の生き様が描かれています。知られざる恋のエピソードも熱い。(私と)どこに接点があるかってことは、私自身は何も接点がないと思ってるんですが、三谷さんからは「隠れた情熱があるんじゃないか」って言ってくださってる。芸に生きるということについては、私にはまだまだこれから。セリフにいくつも感動する、せつないセリフがあります」

三谷「今回の目標はいろいろあるんですけど、ミヤコ蝶々さんをご存じの方にはもちろんなんですが、その下の世代の知らない人にも、こんな人がいたことを知らせたい。また、海外に持って行きたい。というのは、それだけ彼女の人生は世界に誇れる人。でもミヤコ蝶々という名前は、芝居には出てこないんです。一人の女優として書いている。戸田さんとの共通点は、一つは背がすごく小っちゃいこと。一見男っぽく見えるんだけど、女っぽい。その向こうにさらに男っぽさがある、という三重の層があるかんじが似ていると思います」

 では、芝居の内容は?

三谷「話といっても、彼女の人生をなぞっていく形です。設定としては、昭和50年代後半のとある劇場の楽屋で、ある女優が芝居を終えて、自分の半生を記者に話す。記者は彼女の人生の自伝を書くための取材をしている。最初の恋、旦那さんとの出会い、別れ、舞台女優になっていく話を記者に語ります。それだけに終わらずに、最後に彼女の人生とはなんだったのか、描きます」

戸田「本をいただいたときにいつも思うのは、読んでいるときに声を出して笑うくらい面白いんです。読み物としてじゅうぶん面白い、そんなことってめったにない。読んだだけで絵が浮かぶ、想像できてしまうのに。本だけで面白いのに、それを演じるプレッシャーがある。三谷さんのすごいところは、それに輪を掛けて演出をされるとまた想像もしないような世界観が広がる。驚きですね」

三谷「一人芝居って初めてだったんですけど、どうなるか想像つかなかった。実際稽古すると、今まで自分の書いてたお芝居となんら変わらないんですよ。いつもと違うのは、相手のセリフがないってことです。相手の話を聞いて、また聞き返す。意外にうまくいくなってかんじで、いつも稽古終わったときにふと我に返って、戸田さん一人しかいなかったんだ、って。これでいけるんだったらずっと一人芝居でもいいんじゃないかなって。発見を毎日しています」

 「言いたいことは山ほどあるけど、幕が開くまでヒミツにしたい」という気迫。饒舌に見える三谷にも、あくまで控えめな戸田にも、そんなオーラがメラメラと湧き起こっていた。
[PR]
# by toyorubichun | 2004-12-26 04:01 | 舞台
b0002385_9315957.jpg やっと!心待ちにしていたthe band apartの新譜が出ました!前回のリリースは1stアルバム、2003年9月にさかのぼる……。寡作なインディーズバンドのニューシングルは2曲入り、フィギュア付き15,000枚限定盤!フィギュアはメンバーの人形とかじゃなくて、なんか透明の四角いやつ。
b0002385_9332141.jpg
 クリスマス仕様でしょうか、真っ白いタテ長のケースにいまどきめずらしい小さいCDが入ってます。1曲目『higher』は粉雪の似合うハイトーンボーカルが美しい。終盤のドカドカしたドラムが消え入り、ギターリフが残って2曲目『amplified my sign』へつながる。低音好きの私は、ベースが要所要所でウネウネ響くこちらのほうがお気に入り。

「どっちも似たような歌だね?」
「ずいぶん地味なバンドじゃない?」
the band apartを聴き慣れていない方からはこう言われてしまいそうな、おすすめしにくいシングルかもしれません。年明け1月5日クラブチッタ川崎のライブでは、何曲目にこれが聴けるのかな?オープニングだとしっとりしすぎるし、フィナーレはもうちょっと勢いよくハジけてほしい。中盤に入ってくるんではないか、と予測♪

これまでのthe band apartのおもな曲はここで試聴できます。


the band apart
2004.12.22 on sale
"RECOGNIZE ep"
including two songs and dolls Named Seo and Lee
Limited Edition : 15000(通常盤の発売予定はございません)
asg-001/1575yen(tax in)

[PR]
# by toyorubichun | 2004-12-22 23:59 | the band apart