さくらそう展 つくば植物園

企画展「さくらそう展 ~清楚な日本のサクラソウ 色彩豊かなヨーロッパのサクラソウ~」
平成21年4月18日(土)~4月26日(日) 期間中休園日なし
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よく晴れた空が気持ちいい午前中に行きました。ただ風は強くて、カーディガンと七分丈の服装ではちょっと寒いくらい。ひな壇にお行儀よく並んだサクラソウがお出迎えしてくれました。白~濃い赤紫の色をもつ花のひとつひとつが映えるよう、遠目から千鳥模様になるように配置するのがならわしだそうです。
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展示会場入り口にはサクラソウがずらーっと列をなしていました。館内のくわしい説明を読む前は、ふーんいっぱい種類あるんだなーぐらいにしか思わず一瞥しただけでしたが、帰りぎわは、わっ、こんなサクラソウもあるの!? と、にわかにサクラソウファンになっている自分がいました。それに入館前は、こんな強風に煽られてサクラソウがかわいそう……などといらぬ心配をしたものです。可憐ではかなげに見えるサクラソウは、見た目によらずガッツのある品種が多いそうで。北海道に自生するユキワリソウなどのおもな生息地は崖や岩場で、他の植物が育たないから生存競争に巻き込まれないですむ、という理由はあるにせよ、そこにしっかり根を張ってるのはスゴい。雨風にさらされてはらはら散っていく桜とはちがうわけですね。
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花びらを水鉢に浮かべて楽しむ鑑賞方法。散った花をこうしておくと3日はもつという。花びら全体がポトンと落ちるからできること。茎からプチッと摘まないこの方法は、良心が痛まなくていいw

室内展示1Fにはヨーロッパに自生するサクラソウと、イギリスに代表される園芸品種、そして日本のサクラソウがありました。ヨーロッパのサクラソウは葉がぷっくり肉厚で、花びらの色と模様はくっきり。鼻を近づけると強い香りがしました。サクラソウの前に額縁をかざして、絵画に見立てて鑑賞する方法が紹介されていました。対して、日本のサクラソウは淡いピンクが中心で、奥ゆかしさを感じます。ヨーロッパと日本、それぞれの特徴の比較が一覧表になっていました。お年寄りや年少者にも読みやすく配慮したためか、解説は大きい字で貼りだしてある。展示会場は殺風景な建物で、いかにも学者さんの研究発表といった雰囲気ではあるけれど、興味深い内容でした。職員さんにお願いしてガイドツアーしてもらえばよかった! 何組かのお客さんがじっくり説明を受けているのを目にしました。

2Fにあったのは、急速に絶滅の危機にさらされている実態や、遺伝による品種の分かれ方を説明した掲示板。鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』(学研)を出典とする、花の咲き方の呼称一覧がおもしろい。花びらがフラットにひらく「平咲き」、戦国武将が軍勢を指揮するとき使う道具に似た形の「采配咲き」、花びらの先端が内側に丸まったままの鞠のような「玉咲き」、そしてへたな説明よりネーミングがその姿を語る「狂い抱え咲き」などなど! サクラソウの百面相です。
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また、日本に自生するサクラソウの仲間を追った約8分のビデオが上映されていました。これでクリンソウ(九輪草)というみごとな花を知りました。背が高く、何段も咲く姿を五重塔のてっぺんに立つ「九輪」にたとえて付いた名前。かっこいい。これも絶滅危惧種。江戸時代はサクラソウでお花見をするくらい身近な草花だったのに、残念なことです。 ※画像はネットでみつけたもの。兵庫県加東市平木・播州清水寺のクリンソウ。



「やっぱりちょっと、元気がなくなってきましたね」
「最終日ですものねえ」

植物園の職員さんが、サクラソウを見回りながら話していました。絵画や彫刻は長い年月をかけて劣化することはあっても、1週間やそこらで「元気がなくなった」りはしない。生きてるものを鑑賞する時間て貴重だなあ、と思いました。うちの庭にいる花たちも誇らしげに天を向いています。いま見ごろなのは牡丹、ツツジ、すみれ。
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さくらそう展
国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば植物園)
9:00~16:30(入園は16:00まで)
一般・大学生 ¥300 団体割引あり
高校生以下・満65歳以上 無料

茨城県つくば市天久保4-1-1
029-851-5159
駐車場 50台くらい
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by toyorubichun | 2009-04-26 23:51 | 美術